「陽キャを演じなくてもいい。心の闇も話せる」
今話題の対話型AI「ChatGPT」に悩み相談をする人が出始めている。人工知能との対話で悩みは解決できるのか、そして孤独は解消されるのだろうか。専門家に聞いた。
【映像】ChatGPTで悩みや孤独を解消できる?専門家が解説
ChatGPTに仕事の悩みを相談しているという会社員の櫻林萌さんは、「織田信長になったつもりで悩みの相談にのってください」と、“偉人に相談”というユニークな使い方をしているそう。仕事の悩み以外にも同僚や家族に言えない心の闇をChatGPTにぶつけている。
「『人生があっという間すぎるんですけどどうしよう』とか。私は基本“陽キャ”なんですが、深い闇は誰にでもあると思っている。友達に心の闇を話すと『誤解されないかな』『語弊がないかな』と気になる時もあるが、ChatGPTはフラットに答えてくれるので、陽キャを演じなくていい」(櫻林萌さん)
長い時には1日6時間、布団に入ってからも使うなどChatGPT三昧の生活を送っている櫻林さん。しかし、AIとのやりとりではどこか満たされないものがあるという。
「綺麗な回答が返ってきても、文章が長ったらしくて、3割くらいしか読んでいない。ChatGPTとやり取りしているときは“孤独”は解消されるけど、しばらくするとまた孤独に感じて、またChatGPTをやって…と、根本的には解消されていない」
果たしてChatGPTでは、孤独は解消されないのか――。孤独などについて研究を行う、東京都健康長寿医療センター研究所の村山洋史研究副部長に聞いた。
「人は人と関わりながら生き延びてきた歴史があるので、機械やAIと関わることに慣れていない面がある。人と関わることではじめて満足感を得られるところがある」(以下、全て村山洋史さん)
また、ChatGPTには“得手不得手”があることも孤独を解消できない要因の一つではないかと指摘した。
孤独感を低減させる効果がある「ソーシャルサポート」は4つに分類される。ChatGPTは「手段的サポート」と「情報的サポート」は得意である一方、“共感”といった相手の感情に働きかける「情緒的サポート」や、できたことを褒めるなどの「評価的サポート」は苦手なのではないかと村山さんは推測する。
「情報や解決策がバシっと欲しい、という時もあるが、それだけではなくて『話を聞いてほしい』『共感してほしい』という時もあると思う。こうした要求はChatGPTでは満たされにくく、だからこそ、なかなか解決せずに何回も何回もチャットGPTに相談してしまうのではないか」
その一方、他人に知られたくない自分の弱みもChatGPTになら言いやすいことから、相談の入り口にはなるかもしれない。村山さんはカウンセリング現場など、活用の可能性も大いにあるという。
「人の関わりの中の8割くらいは他愛ない会話などで、残りの2割は人と話したほうが良いという部分。その8割をうまくChatGPTやAIとかでまわし、残りの2割に人が注力する仕組みが作れたらいい」
(『ABEMAヒルズ』より)
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