ゴールデンウィーク中にロシアを訪問する計画を立てていた人物がいる。日本維新の会の鈴木宗男議員だ。
鈴木議員は、ロシアによるウクライナ侵攻について「両方に責任があるという考え方」と発言、これがロシア擁護ではないかと注目された。侵攻開始から1年以上が経っても収束が見えない事態をめぐり、『ABEMA的ニュースショー』では文筆家の古谷経衡氏と激論を交わした。
「ロシアにも言い分がある」と言い続けることで厳しい立場に置かれているのではないか? その質問に鈴木議員は「ロシアは国際法違反ということだが、振り返れば、アメリカのアフガン攻撃やサダム・フセインを殺害したイラク戦争、ユーゴスラビア無差別爆撃も国際法違反だ。アメリカがやったことは国際法違反ではなくて、ロシアのやったことは違反だ、と言うのは正しくないと思う」との考えを述べる。
また「歴史の事実を踏まえないといけない」とも指摘。「2021年10月にゼレンスキー大統領がロシア国民のいる地域に自爆ドローンを飛ばし、プーチン大統領が国境に兵を寄せ、それをアメリカが『ロシアが攻めるぞ』と煽った。決定的だったのは2022年2月19日、ミュンヘンのヨーロッパ安全保障会議でのゼレンスキー大統領の主張。ソ連が崩壊したとき、ソ連の核兵器はウクライナに置いてあった。それをどう管理するか、ドイツ、フランス、イギリス、ロシア、ウクライナで協議したのが1994年のブタペスト覚書。“旧ソ連の継承国はロシアだ。核兵器はロシアに引き取ってもらう”というのがブタペスト覚書だが、ゼレンスキー大統領が『再協議だ』と。簡単に言えば『核を戻せ』ということ。それでプーチンが怒った」と説明した。
これに古谷氏は「理由があれば侵略戦争をしてもいいということか?」と質問。鈴木議員が「一方的な力による主権侵害はいけない。侵略戦争がよくないということは私も言っている。ゼレンスキー大統領は、ミンスク合意を“自分が署名したものではない”ということで守らなかった。ドイツとフランスも入っての国際約束は守るべきだ。それを破ったというのは、侵略する理屈を与えたことになる」とコメントすると、古谷氏は「約束を破って侵略する理屈を与えたら、どんなに爆撃されて女性や子どもが犠牲になってもいいということか。そういうふうに聞こえる」と応じた。
さらに、「停戦」をめぐっても応酬を繰り広げた。
鈴木議員:去年2月のウクライナ問題以降、政治家の中で『一にも二にも停戦だ』と言っているのは私だけだ。
古谷氏:停戦なんて応じるわけがない。
鈴木議員:停戦に持っていくのが国際社会の役割だ。
古谷氏:現状の占領地を引き払って撤退するのがロシアのやるべきこと。その条件で停戦するならいいと思うが。
鈴木議員:どういう条件かということではなく、両方に銃を置かせることが先だ。ユーゴ爆撃の時もアメリカが一方的に攻めたわけだが、線引きをせず「まずは攻撃をやめさせる」ということでやめた。
古谷氏:侵略されている側に武器を置けというのは極論だと思う。
元日本テレビ解説委員でジャーナリストの青山和弘氏は「戦争が続けば続くほど命が失われるので、停戦したほうがいいのは間違いない。停戦した後にどう国際社会が管理して、どう話し合いを続けていくか。今は両国とも好戦的になっているので、非常に難しい状況が続いている」と指摘した。(『ABEMA的ニュースショー』より)
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