日本代表・三笘薫が所属するブライトンは、日本時間15日に行われたアーセナルとのアウェイ戦で3-0の勝利を飾ったことで、2試合未消化ながらUEFAヨーロッパリーグ(EL)出場圏内の6位へと浮上した。シーズン途中に指揮官が引き抜かれるという事態もあった中で充実したシーズンを過ごすブライトンは何位で今季を終えるのだろうか。
ブライトンは残り4試合をどう戦うのか
FAカップの決勝カードであるマンチェスター・シティとマンチェスター・ユナイテッドの両クラブがすでに6位以上でフィニッシュすることが決まっているため、6位までが来季のEL出場権を獲得することができる。
ブライトンは現在34試合を終えて勝ち点58の6位につけており、このままの順位で終えればクラブ史上初の欧州カップ戦出場が可能となるが、残り4試合のうち3位ニューカッスル、1位マンチェスター・シティ、8位アストン・ヴィラと上位陣との対決を残しており、油断は出来ない。また多数の離脱者を抱えていることは懸念点だ。今季のブライトンを支えていたマーチが離脱し、それに加えフェルトマンやウェブスターなどの主力も戦列を離れている。
しかし、今季の大半をサブとして過ごしてきたエンシソやウンダブ、コルウィルが直近の数試合で印象的な活躍を披露しており、直近のアーセナル戦は彼らの活躍して勝利はなかった。彼らの活躍はチームの起爆剤に十分になり得る。
6位以内確定の条件は“勝ち点5”
ブライトンは残り4試合であり、うち2勝すると自力で6位以内が確定する。そして得失点差を踏まえると勝ち点5を獲得した場合にもほぼ確実に6位以内になる。では、どこで勝ち点を積み重ねていけばよいのだろうか。
まず、次節の対戦相手であるニューカッスル。直近10試合で3勝6分1敗と相性は良いが、同クラブもUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得に向けて本気の戦いを挑んでいる最中で、今季ホームで2敗しかしていないことを考えると、アウェイの地で勝利をする難易度はかなり高い。なんとか引き分けて勝ち点1を持ち帰りたいところだ。
次に、日本時間5月21日に対戦する最下位のサウサンプトン。ここ2シーズンでは、1勝2分1敗と互角だが、今季の前回対戦では3-1でブライトンが勝利している。3月頭から11試合勝ちなしの不調チームから勝ち点3を取ることができれば、残り3試合中2引き分けでよい計算になる。ただし、ブライトンはニューカッスル戦から中2日での連戦となり疲労が心配だ。
首位のマンチェスター・シティ相手に勝ち点を獲得することは難しいだろう。直近10試合の直接対決で1勝9敗と相性は最悪だ。ブライトン戦を前にマンチェスター・シティが優勝を決めていれば多少の勝機はあるかもしれないが、難しい戦いとなるだろう。
そして最終節のアウェイ、アストン・ヴィラ戦もブライトンにとっては厳しい戦いになることが予想される。同クラブとの相性はマンチェスター・シティ同様に最悪で、直近10試合は1勝4分5敗と大きく負け越している。加えて直近3試合は3連敗中であり、アストン・ヴィラはホーム直近6連勝中とヴィラ・パークで勝ち点を獲得することが極めて難しい状況だ。だが、ここでなんとか引き分け以上に持ち込むことができれば、自力での6位フィニッシュが見えてくる。
だが、どのチームも簡単に勝たせてくれる相手ではない。残り試合で「勝ち点5」以上をあげることができない場合、どのような可能性が残っているのだろうか。
大手ブックメーカーのオッズが「1.1倍」に
ライバルチームに目を向けると、7位トッテナムは直近6試合で1勝1分4敗と絶不調だ。かたや次節ホームで対戦するブレントフォードは、直近4試合で3勝1敗と調子を上げている。最終節はアウェイでリーズと対戦するが、同クラブは残留争いの渦中であり、死に物狂いで勝利を目指してくる。加えてトッテナムは今年1月以降にアウェイ戦での勝利がなく、このどちらかの試合で勝ち点を落とす可能性が高い。
8位アストン・ヴィラは、9戦無敗だった時期と比べると調子を落としているが、前節は順位争いのライバルであるトッテナムに勝利を収めた。しかし、次節の対戦相手はリヴァプールであり、それも“要塞”アンフィールドである。この地で勝ち点3を獲得することはかなり難しく、ブライトンとは相性が良いとはいえ、残り2試合を2連勝で終えることのハードルはかなり高い。
大手ブックメーカー『sky bet』によると、現在ブライトンが6位以内で終えるオッズは1.1倍。7位トッテナムは8倍、8位のアストン・ヴィラは20倍がついている。
また、メディアにもブライトンが今季6位以内で終えることに肯定的な意見が多く、英メディア『The Sun』は「ブライトンはクラブ史上初めてのヨーロッパへの出場権に順調に進んでいる。彼らはエヴァートンに対してホームで異例の敗北を喫したが、彼らはそれをここに置き、来シーズンのヨーロッパリーグへの出場権を釘付けにしているように見える」と前向きな意見を出している。
ブライトンが6位以内でフィニッシュする可能性は決して低くないと言えそうだ。