ブライトンは念願の欧州カップ戦出場権獲得に向けて、また大きな壁を乗り越えなければならない。次なる相手はここまでプレミアリーグ最少失点タイで現在リーグ3位につけているニューカッスルだ。この一戦は単なる上位対決というだけでなく、リーグ屈指の「矛vs盾」対決という見方も可能だ。ビッグ6相手でもボールを保持する攻撃的なサッカーを展開しているブライトンと、鉄壁の4バックと守護神という欧州屈指の守備力を誇るニューカッスルの激突だ。
この「ホコタテ対決」に向けて、ブライトンの攻撃の要、対するニューカッスルの守備の要、注目選手を紹介していく。
最強ドリブラー:三笘薫
三笘薫は、攻撃の要として今季ここまで7ゴール4アシストを記録している。相手が低いラインを築くのであれば得意のドリブルで深い位置まで切れ込んでいく。逆に相手がハイラインを敷いてくるのであれば、反発ステップを活かした裏抜けで決定的なチャンスを作ることができる。ハイプレスと堅牢なブロックを使い分けるニューカッスル守備陣相手でも全く問題なく活躍できるだろう。
万能なアタッカーへ成長した三笘だが、決定力には課題を残している。毎試合のように得点のチャンスを作り出すことができるが、フィニッシュがいま一つといった印象。直近の公式戦8試合はゴールやアシストを記録できていないため、ニューカッスル戦では数字という結果を残すことができるか注目だ。
万能アタッカー:ダニー・ウェルベック
ダニー・ウェルベックは、マンチェスター・ユナイテッドやアーセナルら名門クラブを渡り歩き、20年夏にブライトンに加入した。今季序盤はスタメンとして出場することが多かったが、エヴァン・ファーガソンの台頭により途中出場が多くなった。しかし、序列が低下してもFWとしての能力に陰りが見えているわけではない。恵まれた体格を活かしたポストプレーや裏抜けは依然として健在だ。加えて巧みなオフザボールの技術も持っており、ボックス内でも脅威となることができる。
万能な能力を持ち合わせている一方、三笘同様ウェルベックも決定力の弱さを度々指摘されてきた過去がある。この大一番でチームを救うゴールを奪えるか期待がかかる。
ニューカッスル最後の砦:ニック・ポープ
ニック・ポープは今季からニューカッスルに加入し、すぐに守護神として定着している。ここまでリーグ3位となる13クリーンシートを記録しており、安定感は世界でも屈指だ。鋭い読みと反射神経を活かして毎試合のようにミラクルセーブを連発する。その証拠に今季は既に2度のプレミアリーグ月間最優秀セーブ賞を受賞している。またゴールに張り付いているだけでなく、アグレッシブな飛び出しも得意としており、セービング面に関しては文句のつけどころがない。
ニューカッスルの鉄壁の4バックを超えてもポープがさらに立ちはだかるため、ブライトンと言えどゴールを破るのは容易ではないだろう。
チームの象徴:キーラン・トリッピアー
キーラン・トリッピアーはエディ・ハウ率いるニューカッスルを象徴する選手だ。正確無比な右足を武器としている不動の右サイドバックで、今季6アシストを記録。シュートに繋がったラストパスの数はリーグ2位で、DF離れしたチャンスメイク能力が持ち味だ。
また攻撃に優れたサイドバックは守備面が疎かなイメージが持たれるが、アトレティコ・マドリードでディエゴ・シメオネ監督の下で守備的なサッカーをプレーしたことで、しっかりと守備性能も兼ね備えている。リスク管理をしながら攻撃参加できる選手であり、ニューカッスルの失点数の少なさがその事実を物語っている。
前回のブライトンとの対戦時には、ペナルティエリア内で三笘に抜かれてしまい、決定機を演出され、三笘被害者の会に名を連ねてしまった。今節は、三笘をしっかり止め切って悪いイメージを払拭したいところだ。
ニューカッスルは20年振りとなるUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得、ブライトンはクラブ史上初となるUEFAヨーロッパリーグ(EL)出場権の獲得のためにこの試合を落とすことはできない。今季の躍進を象徴する2つのクラブが互いの信条とするサッカーをぶつけあう。白熱した試合展開になることは間違いないだろう。
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