5月16日にカーミニークフィールドで行われたイースタンリーグ・埼玉西武ライオンズ対東京ヤクルトスワローズの一戦で、西武2軍が0-7で迎えた9回裏の攻撃で、一挙10点を奪う猛攻を見せ、あまりに劇的な逆転勝利を飾ったことが野球ファンの間で話題となっている。
【映像】9回裏から大変な事が起きた!
0-7、西武2軍7点のビハインドで迎えた9回、この回先頭の渡部健人が、ヤクルト2番手・大下佑馬から、レフトへの豪快な1発を放って1-7。反撃の狼煙をあげると、続くペイトンは粘りに粘り、フルカウントからの9球目をセンター前へと運んで無死走者一塁に。ブランドンもレフト前ヒットで続いて無死一、二塁とすると、2021年に1軍公式戦で9本塁打をマークし、独立リーグ出身の日本人選手シーズン最多本塁打をマークした和製大砲・岸潤一郎がレフトへの3ランホームラン。これで4-7と3点差に迫り、さらなる反撃ムードを呼び込んだ。
すると、続く山野辺翔、昨年の現役ドラフトで阪神から加入の陽川尚将と連打で攻め、無死一、三塁。ここで堪らずヤクルトベンチは3番手、左の久保拓眞を投入するも、既に流れは西武となっており、西川愛也の鮮やかなライト前タイムリーで5-7、2点差に詰め寄ると、期待のドラフト1位ルーキー・蛭間拓哉が手堅く送りバントを決めて1死二、三塁に。一打同点のチャンスで、投手からの転向組・川越誠司が勝負強さを発揮して、レフト前への2点タイムリーを放ち、ついに同点に。ここで再びこの回先頭の渡部健人へと回ってきたが、渡部はさきほどの豪快な一発に続き、ここでは右打ちで一二塁間へと運んで、これが二塁への内野安打となると、最後はさきほどの打席で粘りを見せたペイトンが、ライトへの3ランホームランを放ち、試合終了。実に7点差をひっくり返すという、劇的なサヨナラゲームとなった。
5月19日に放送された『バズ!パ・リーグ』(ABEMA)では、この劇的すぎる衝撃の逆転勝利について紹介することとなったが、スタジオでこの映像を見た野球解説者の里崎智也氏は「いいですよね。今西武、ちょっと1軍が打つのがかなり困ってるんで打線。マキノンが頑張ってますけどね。この若獅子たちがね、ちょっと盛り上げてもらいたいですね。」と、土壇場で脅威の粘りを見せた西武2軍の選手たちについてコメント。そうした上で里崎氏は、「そろそろ陽川出番だろ!」と、この試合でも貴重なヒットで繋いだ新戦力・陽川が今の西武に必要であることを指摘。実際に陽川は19日に西武に移籍後初めて1軍昇格を果たし、いきなりスタメンをつかむとホームランを放つ活躍を見せた。
また、この驚くべき展開に、ネット上の野球ファンからは、「プロでもこんなことあるのか…!」「最後まであきらめるな!っていう強烈なメッセージ性のある攻撃だった」「絶望的な状況でも諦めなかった選手達がすごすぎる。」「たった1つのアウトもバントだし一切無駄がないのすごい」「フィクションすら超越するのがこの競技の何者にも変えられない魅力」「ファームの試合でも取り上げざるを得ない程の衝撃的な試合。」といった様々な声が上がっている。
(ABEMA『バズ!パ・リーグ』)