ドルトムントに所属しているコートジボワール代表FWセバスティアン・ハラーが、ブンデスリーガ優勝が目前に迫ったチーム状況について語った。ドルトムントのクラブ公式HPが伝えている。
ブンデスリーガ第33節が21日に行われ、ドルトムントは敵地でアウクスブルクと対戦した。試合の均衡はスコアレスで折り返した後半に破れる。58分、相手のクロスボール対応が中途半端になった隙を見逃さなかったハラーが、自ら持ち出して右足で豪快に蹴り込んだ。84分には元ドイツ代表MFマルコ・ロイスの放ったシュートのこぼれ球をハラーが押し込み、追加点を記録。後半アディショナルタイムには同MFユリアン・ブラントが点差を広げ、試合はタイムアップ。ドルトムントが3-0で白星を飾っていた。
前節終了時点まで首位に立っていたバイエルンが今節はライプツィヒに1-3で敗れたため、ドルトムントは最終節を目前にして首位に浮上。27日に本拠地『ジグナル・イドゥナ・パルク』で行われる今季のブンデスリーガ最終節マインツ戦を白星で飾れば、2011-12シーズン以来11年ぶりのブンデスリーガ制覇が確定する。引き分け以下に終わった場合でも、敵地でケルンと対戦するバイエルンの結果次第では優勝に手が届く。
今季のドルトムントは序盤戦から常に上位争いを演じてはいたが、安定して勝ち星を重ねるようになったのは2023年に突入してからだった。ハラー自身も昨年夏のドルトムント加入後は悪性の精巣腫瘍が判明し、複数の手術や化学療法を受けたことで闘病生活が続いた。チームにとって年明け1発目の公式戦だったブンデスリーガ第16節のアウクスブルク戦でドルトムントでの公式戦デビューを果たすと、徐々にコンディションを上げ、直近の3試合では5ゴール3アシストを記録。今やチームに欠かせないアタッカーに君臨している。第33節アウクスブルク戦の終了後、2ゴールで勝利に貢献したハラーは「もし6カ月前、今日このような状況になると誰かが言ったとしても、僕は信じなかっただろう」と正直に明かした。
激動だった今シーズンについては、チーム目線で「僕らの皆がここまで多くの投資をしてきた。今は本当に大きなことを成し遂げるチャンスがある」とコメント。最終節を目前にして優勝へ向けて前進したことを喜んだ。加えて、現在のチームが成熟した集団であることを強調している。
「今季ここまで何度かチャンスを逃してきたが、今再び僕らの前にはチャンスがある。僕らは自分たちの原則を守り、常にポジティブでいることについて何度も話し合ってきた。僕はこのチームを誇りに思うよ」