バレンシアは22日、21日の『ラ・リーガ第35節 バレンシアvsレアル・マドリード』の一戦で、レアル・マドリードに所属するFWヴィニシウス・ジュニオールに対して人種差別的なジェスチャーを行なったサポーターに生涯に渡って入場禁止処分を科すことを発表した。
事の発端となったのは、21日に行われた『ラ・リーガ第35節 バレンシアvsレアル・マドリード』の一戦。バレンシアがFWディエゴ・ロペスのトップチーム初ゴールで残留に向けて大きな勝ち点3を得た一方で、試合前から一部のバレンシアサポーターによるヴィニシウスへの人種差別的なジェスチャーが横行しており、とりわけ、70分過ぎには試合が約10分程度止まる事態にまで発展していた。スタジアム全体に人種差別発言を咎めるアナウンスが発せられた後、試合は再開。しかし、試合終盤にヴィニシウスが退場処分を受けた場面では、スタンドから同選手を侮蔑するチャントが歌われていた。
当然のことながら、この騒動に対しては非難が殺到。ブラジルのルラ大統領やブラジルサッカー連盟らが言及するなど、大きな反響を呼んでいる。そして22日、バレンシアはヴィニシウス対して人種差別的なジェスチャーを行なったサポーター1名を特定し、生涯に渡って入場禁止処分を科したことを発表。加えて、引き続き捜査を続けることを表明するとともに、「クラブはこのような行為を強く非難します」と声明を掲載した。
「このような行為はフットボールにはふさわしくなく、バレンシアCFとそのファンの価値観にそぐわないものです。あらゆる形態の人種差別と暴力に反対する継続的な取り組みを行うバレンシアCFは、メスタージャで行われた第35節レアル・マドリード戦で、ヴィニシウス・ジュニオールに対して人種差別的なジェスチャーを行なったファンを警察が特定したことを報告します。また、他に加担した者がいないかを確認するために警察と協力し合っています」
「バレンシアCFはすでに懲戒手続きを開始しており、今回の騒動に加担したファンに対しては、生涯に渡ってスタジアムに入場禁止という厳格な処分を適用します。今後とも警察および管轄当局と協力して事件の解明を目指していきます。クラブはこのような行為はフットボールにおいても、そして社会においても通用せず、バレンシアCFとそのファンの価値観にそぐわないものであると強く非難します」