かつてバイエルンで活躍した元ドイツ代表MFローター・マテウス氏が、今シーズン“無冠”の危機に瀕している古巣について言及した。22日、ドイツ紙『ビルト』がコメントを伝えている。
就任2年目を迎えたユリアン・ナーゲルスマン前監督のもと、“3冠”達成を目標に今シーズンに臨んだバイエルン。チャンピオンズリーグ(CL)では全勝でベスト8進出を果たし、11連覇を目指すブンデスリーガでも中盤戦以降首位を走っていたものの、去る3月にナーゲルスマン前監督を電撃解任。トーマス・トゥヘル監督のもとでの再出発を決断した。しかし、その後CLとDFBポカールで敗退の憂き目に遭い“3冠”の可能性が消滅すると、ブンデスリーガでも最終節を前に首位の座から陥落。ここに来て“無冠”の可能性が現実味を帯びている。
“絶対王者”らしからぬ不安定なシーズンを送っているバイエルン。かつて同クラブで公式戦410試合に出場し、ドイツ代表としてFIFAワールドカップ制覇も経験した“闘将”マテウス氏は、苦しむ古巣の現状について「タフで冷酷な結果だ」とコメント。その上でクラブや選手たちの姿勢に苦言を呈しつつ、変化の必要性を次のように強調した。
「ブンデスリーガで優勝しようがしまいが、バイエルンはこのままではいけない。名前や立場に関係なく、ピッチ内外において厳しい分析と冷酷な再評価を行う必要がある。私たちがこのところ目撃してきたものに、もはやバイエルンらしさなどない。クラブは経営面でもスポーツ面でも多くのミスを犯してきた。今シーズンではなく、既に昨シーズンから始まっていたんだ」
「例えばトップチームの編成。複数の選手と契約したが、果たして本当にバイエルンの選手なのか。Mia san Mia(バイエルンのスローガン:俺たちは俺たちだ!)を体現する選手なのか。ライプツィヒ戦(1-3●)の後半で、Mia san Miaは見られなかった。バイエルンの多くの関係者や私は以前から指摘していたが、Mia san Miaのような唯一の結束力、そしてクラブへの帰属意識はもはや存在していない。チームのプレーにもそれが表れている」
現地時間27日のブンデスリーガ最終節では10位ケルンと対戦するバイエルン。同時刻開催の一戦でドルトムントが9位マインツに勝利した場合、試合の結果に関わらず“無冠”が確定する。