「世界のホームラン王」こと王貞治氏や、伝説の400勝投手として知られる金田正一氏など、文字通り、レジェンド級の選手たちが入会しているプロ野球の名球会。同会に入るためには、打者であれば2000安打、投手であれば200勝ないし、250セーブのいずれかを達成すれば入会資格を得ることできるが、この入会基準について、プロ野球OBからも“異論”が出ている。
【映像】“地味な男”が史上初の大記録達成!
5月19日に放送された『バズ!パ・リーグ』(ABEMA)では、5月14日に京セラドーム大阪で行われたオリックス・バファローズ対福岡ソフトバンクホークスの一戦で、日米通算200ホールドを達成し、史上初となる200セーブ&200ホールドを併せて達成したオリックスの平野佳寿について紹介することとなったが、その流れの中で、野球解説者の里崎智也氏は、平野がこれほどの偉業を達成しているにもかかわらず、「200勝ないし、250セーブ」の条件を満たしていないために現状は入会できないことについて、「史上初の200ホールド、200セーブですからね?」と、日米両国でプレーした上原浩治・藤川球児の2選手が特例として入会したことを引き合いに、平野の入会を認めるべきであるとコメント。
また里崎氏は、「ちょっと投手(出身の選手)が(名球会に)少ないっていうところの話題があるのであればね、100勝100セーブを名球会(の入会資格)でいいと思うんですよ。」と、現状、63人いるという全会員のうち、野手48人に対して、投手が15人と圧倒的に少ないことも踏まえつつ、投手の場合は、先発ないし抑えだけで活躍し続けた場合だけでなく、それらの記録の“合わせ技”でも入会可能とすべきであると指摘。そうした上で里崎氏は「斉藤明雄さん、カープの佐々岡(真司)さん、大野(豊)さんっていうところも、100勝100セーブ。」「佐々岡さんね、斉藤明夫(現・斉藤明雄)さんらは名球会でいいんじゃないですか。」と、名球会に入っていないながらも、実績のある往年の名プレーヤーを例に出す形で、投手については、先発と抑えの両方を経験し、それぞれ稀有な実績を残した投手も、入会に値するとコメントした。
なお、現在、名球会の公式サイトが「入会候補選手」として挙げている現役選手の中で、投手部門については、以下の通りとなっており、今回、史上初となる200セーブ&200ホールドを記録した平野の場合は、特例を受けなくても、セーブ記録単独で入会する可能性もあることがわかる。
■通算200勝利以上
田中将大(東北楽天ゴールデンイーグルス):190勝3セーブ
ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス):188勝0セーブ
石川雅規(東京ヤクルトスワローズ) :183勝0セーブ
前田健太(ミネソタ・ツインズ) :156勝6セーブ
涌井秀章(東北楽天ゴールデンイーグルス):154勝37セーブ
和田毅 (福岡ソフトバンクホークス) :150勝0セーブ
■通算250セーブ以上
平野 佳寿(オリックス・バファローズ) :61勝221セーブ
山﨑 康晃(横浜DeNAベイスターズ) :16勝207セーブ
※所属・記録は2022年シーズン終了時点でのもの。日米通算。
また、里崎氏が実例を挙げた3選手は、いずれも長い現役生活の中で、起用法が大きく異なる時期がありながらも、斉藤氏は128勝125敗133セーブ、佐々岡真司氏は138勝153敗106セーブ、大野氏は148勝100敗138セーブと、それぞれ傑出した成績を残し、また、チーム成績が低迷していた中でも、投手陣の屋台骨を担った名選手。また、大野氏については、名球会入りの資格はないものの、2013年にプレーヤー部門表彰で野球殿堂入りを果たしている。
(ABEMA『バズ!パ・リーグ』)