アシエル・イジャラメンディ

 レアル・ソシエダの主将MFアシエル・イジャラメンディが、今シーズン限りでのクラブ退団を発表した。

 1990年3月8日生まれのイジャラメンディは現在33歳。11歳の頃にレアル・ソシエダの門を叩くと、『スビエタ』で成長を重ね、2010-11シーズンにトップチームデビューを果たした。それ以来、2013年夏からの2シーズンはレアル・マドリードでプレーしたが、“ラ・レアル”在籍10シーズンで公式戦通算251試合に出場。クラブの“象徴”シャビ・プリエト氏からイクリニャがあしらわれた腕章を継承し、2021年4月にセビリアの空の下でコパ・デル・レイ(2019-20シーズンの決勝戦が1年延期)のトロフィーを掲げた。イジャラメンディにとっては、同クラブで勝ち取った唯一のタイトルとなっている。

 近年は度重なるケガとの戦いを強いられ、2019-20シーズンから2021-22シーズンまでの3年間のラ・リーガ出場数はわずか「17」にとどまっていた。それでも、今季はここまでリーグ戦22試合に出場すると、昨年10月のセルタ戦で約4年ぶりのゴールを記録。しかし24日、現行契約が満了を迎える今夏を以てクラブを退団することを発表した。

 レアル・ソシエダとの別れを告げたイジャラメンディは同日、記者会見に臨んだ。スペイン紙『アス』は、同選手がクラブへの思いや自身の旅路に思いを馳せたことを伝えている。

「ラ・レアルでの時間が終わったのは明白だった。家族を残していくことを申し訳なく思っているけど、別々の道を歩むときだ。ただ、ラ・レアルがうまくいっているので安心して去ることができるし、自分自身がやってきたことのすべてに満足している。どんな時も100パーセントの力を発揮してきたから、もう少しだけプレーを、フットボールを続けたい。ワクワクしているが、自分がどこに行くことになるかは分からない」

「このクラブでチャンピオンズリーグを戦いたいのは確かだけど、何よりも自分自身に、そしてもちろんラ・レアルにも正直でなければならない。僕のサイクルは終わりに近づいており、人生の最後には決断を下すときが訪れる。これは正しく誠実な決断であり、よく考えられたもの。このチームは毎年小さな一歩を踏み出し、まだ多くの可能性を秘めている。チャンピオンズリーグに出場することを願っているよ」

「このところ、よく自問自答している。初めてスビエタに訪れた11歳の僕が、このような未来を描くことはできた、かとね。答えはノーだよ。自分も、周りの人たちも、たくさんの犠牲を払ったからこそ今、この場所に辿り着けた。これ以上にないくらい最高の結果だ。僕は何年もここにいることができた一方で、ユース時代には同じような幸運に恵まれなかった人たちとの別れも経験した。ここに辿り着くのも、ここにとどまり続けるのも、そしてキャプテンになるのも、すべて簡単なことではない。(ミケル・)アランブルやシャビ・プリエトから学んだ価値観をすべて伝えようと努め、できる限りのことをしたつもり」

 ラ・リーガ第36節終了時点で4位につけて、9季ぶりのチャンピオンズリーグ出場は目前に迫っているレアル・ソシエダ。クラブに脈々と流れるフィロソフィーを次世代へと繋げた功労者を、最高の形で送り出すことはできるのだろうか。