ラ・リーガのハビエル・テバス会長が人種差別の撲滅に意欲を示した。25日、イギリスメディア『BBC』が伝えている。
ラ・リーガでは21日に行われた第35節のバレンシア対レアル・マドリードの一戦で、レアル・マドリードに所属するブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールに対して、バレンシアサポーターから人種差別的なジェスチャーが横行。この状況にヴィニシウスやカルロ・アンチェロッティ監督、チームメイトが苦言を呈していたほか、ヴィニシウスの母国であるブラジルのルラ大統領やブラジルサッカー連盟(CBF)も非難の意思を表明するなど、大きな問題となっている。
このような事態を受け、『BBC』のインタビューに応じたテバス会長は「私たちにその権限があれば、数カ月以内にこの問題は解決できると確信している。少なくとも、特にヴィニシウスの件ではかなり改善することになるだろう。しかし、もし私たちに権限がなければ、私たちにできることは苦情を申し立てることだけだ」と語った。
現状、スペインの法律ではラ・リーガは事件を特定して報告することはできるものの、制裁を課すことができない。それが問題だと強調したテバス会長は「私たちは権力を望んでいる。人種差別的な問題から隠れたいわけではない」と人種差別の撲滅に意気込みを口にした。
「私たちは苦情を言うだけでは十分だと考えていないし、人種差別的な侮辱を叫ぶ人に罰を下せるようにしたいと考えている。これからも、どのスタジアムでも人種差別的なことをする人がいないように努力をし続ける」
「この問題を100パーセント無くすことは不可能だと思う。強盗やそのほかの犯罪が完全に無くならないのと同じようにね。ただ、必要な権限が与えられれば、それは大幅に減らすことができると思う。6カ月か7カ月もすれば、人種差別はなくなると言えるだろう」
そして、仮にこの前のような状況になった時にヴィニシウスがプレーを辞めることを選択したとしたら、テバス会長はそれを支持することも明かした。
「もし、彼がそれに影響を受けていると感じたら、もちろん私は彼にピッチを去るように勧めるだろう。彼と彼のチーム全体が試合を放棄する可能性もある。それは主審の判断だが、私は彼にピッチを離れることを勧めたい。彼は私個人、そしてラ・リーガからサポートされているからね」