3日(土)、神奈川県・横浜武道館で開催された『AZABU PRESENTS K-1 WORLD GP 2023~初代ミドル級王座決定トーナメント~』で第6代K-1 WORLD GPライト級王者の与座優貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)がアーロン・クラーク(Soma Fight Club)を大差の判定で下し、王座戴冠後初の試合で新王者の勢いと貫禄を見せつけた。
与座は今年3月に開催された「K’FESTA.6」のK-1 WORLD GPライト級タイトルマッチで朝久泰央を3-0の判定で下し、悲願のベルトを巻いた。直後、極真空手で世界王者にも輝いている与座は「空手の世界一よりも嬉しかった」と破顔して安堵の表情を浮かべた。
その後、この数カ月でチャンピオンとして意識、取り組みの変化はあったのか。試合を終えた与座に聞くと「周囲からの見方が大きく変わったと思います。普段から気を抜けないし、かと言って慢心することもない。スタイルに関して変化はありません。試合内容という意味では、チャンピオンなので。より派手な勝ち方をしていかないといけない」と語った。
アーロン・クラークとの試合では、1ラウンドからキックの打ち分け、連打で圧倒した。そのまま押し切れるか、という展開でもあったが、あくまでも与座は冷静に試合をコントロールした。
「向かい合っていて、確かに効いているのに目が死んでいなかった。攻撃も諦める攻撃ではなく、倒しに来る攻撃だった。倒せる感覚はありましたが、最後まで気を抜くことはできませんでした。そこで詰め切らないといけないのですが、今日はできなかった。そこが反省点ですかね」
「チャンピオンらしく派手に」という思いが、気負いや力みに繋がったのか。そのことについては「ゼロではないけれど、それを力に変えないといけない…まだまだですね」と唇をかんだ。
“チャンピオンとして”
新王者となり、与座は自分の戦歴や思いだけではない、“何か”を背負い込むようになったようだ。
「格闘技を知らない人が、たまたま動画を見て『すげぇ』って格闘技を志すきっかけになるかもしれない。それにはポイントをとって無難に勝ち続けるよりは、お客さんが思わず立ち上がって声を上げてしまうような、ド派手な勝ち方が必要。ただ、今の実力だと、それができないと分かった。悔しいですけど、練習するしかないですね」
そして最後に、こうも続けた。
「判定じゃ、ダメっすよね。(圧倒しても)負けみたいなもんですよ。チャンピオンなんで。最悪です(苦笑)」
与座が思い描く“チャンピオンらしい”勝ち方。この理想を体現するとき、与座はK-1を背負うチャンピオンになるかもしれない。