【キリンチャレンジカップ2023】日本6－0エルサルバドル（6月15日／豊田スタジアム）
ベルギーリーグで研鑽を積む上田綺世が日本代表ワントップ争いに名乗りを挙げた。フル代表15試合目となったエルサルバドル戦でスタメンで起用されると、開始3分には自身のプレスをきっかけに獲得したPKから、嬉しい代表初ゴールを挙げている。期待のスコアラーは、この試合である“勘違い”をしていたようで、試合後記者たちを笑わせた。
1-0で迎えた3分、相手のセンターバックのトラップが大きくなったのを見逃さなかった上田は、前線から猛烈なプレス。「前から圧力をかけて相手の好きなようにはさせない」（上田）チームの決まりごとを体現すると、ペナルティエリア内で倒されて相手の退場を誘発。自ら得たPKをゴール右隅にしっかりと沈め、嬉しい代表初ゴールをマークした。
数的優位となった日本は、25分に久保建英、44分に堂安律もゴールネットを揺らし、4点を奪って試合を折り返した。ハーフタイムでは「もう少しアグレッシブに取りに行ってもいいとの話があった」と後半に向けた修正点を話した。さらに三笘からは、「相手は10人だからガンガン行ってこいよ」と声をかけられたそうだ。
しかしそこで上田はある勘違いに気づく。
「倒れていたのでレッドカードが出たところはみていなくて、10人になったのは気づいていませんでした。前半は11対11だと思っていて、ハーフタイムまで気づきませんでした。ハーフタイムに薫くんに言われて『えっ？』みたいな（笑）」
65分までピッチに立った上田は後半、オフサイドとなったものの流れの中から打ったシュートでゴールネットを揺らすなど、ピッチ上で存在感を放っていた。通算15試合目で決まった代表初得点。重圧から解放された背番号9は、ピッチの外では少々天然な一面を見せながらも、試合ではこれからどんどん爪痕を残していく。
文・舞野隼大（C）浦正弘（ABEMA／キリンチャレンジカップ2023）
