【キリンチャレンジカップ2023】日本6-0エルサルバドル(6月15日/豊田スタジアム)
プレミアリーグ挑戦1年目ながらにブライトンで絶対的なエースへと成長した三笘薫。エルサルバドル戦では、わずか45分で3つのゴールに関与するなど違いを見せつけた。さすがと言えるインパクトを残した三笘だが、試合後の表情からは満足した様子は感じられなかった。
愛知県の豊田スタジアムで行われた今回のキリンチャレンジカップ・エルサルバドル戦。選手紹介の際、地元の名古屋グランパス所属で代表デビューとなった森下龍矢の名前がコールされた時は、祝福の意味も込めて大きな歓声と拍手が湧き起こった。ただそれ以上の喝采を浴びたのが、プレミアリーグや昨年のFIFA ワールドカップ カタール 2022で活躍した三笘だった。
日本代表の中心的存在として三笘は開始早々にドリブルを仕掛け、先制点を生むFKを獲得。25分には、サイドチェンジをピタリとトラップし、クロスを供給。一度は相手に阻まれたが「失った後の切り替えはチャンスになる」と、すぐさま相手のパスをカットし、久保建英へ「(利き足の)左足で打てるようにいい位置に出そうということだけ考えていた」と瞬時に冷静な判断を下してアシストした。
42分にはカウンターのチャンスに自らドリブルで持ち運び、右足一閃。最後は堂安律がゴール前で詰め、前半に生まれた4ゴールのうち3点に貢献した。ただスコアボードに「三笘薫」の名前は刻まれていない。
三笘は、ハーフタイムで中村敬斗と交代。期待に応えるべく、果敢なプレーを何度も見せたが、最も欲しているゴールという結果は得られずに終わった。ブライトンでもフィニッシュで課題を抱えていたなか、代表戦でもそれを払拭することはできなかった。
「もっとプレーしたかった」試合後、三笘はそう答えていた。結果にこだわるが故に出た本音だろう。
3得点に貢献した上で自分自身もゴールを決めていれば、“絶対的存在”であることを証明でき、試合後の表情も晴れやかなものだったはずだ。
「もう一度試合を見て、反省するところは反省しないといけない」と話す三笘。大量得点で第二次森保ジャパンは初勝利を飾ったが、20日のペルー代表戦で彼のゴールは飛び出すだろうか。日本の新たな背番号7が、次こそはプレーで、結果で、ピッチを席巻する。
文・舞野隼大(C)浦正弘(ABEMA/キリンチャレンジカップ2023)