チーム康光、今期初戦でエントリーチームを圧倒 佐藤康光九段「たすきつながった」予選突破に向けて好発進/将棋・ABEMAトーナメント
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 レジェンドが後輩の刺激を受け、チームとしても好スタートだ。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」予選Dリーグ第1試合、チーム康光とエントリーチームの対戦が6月17日に放送された。チーム康光はリーダー佐藤康光九段(53)が自ら2戦2勝すると大橋貴洸七段(30)も同じく2戦2勝、高見泰地七段(29)も1勝1敗と全員が勝利して、スコア5-1と快勝した。厳しいトーナメントを勝ち上がってきたエントリーチームを一蹴するような出来で、予選突破に大きく近づいた。

【映像】快勝を振り返るチーム康光

 これまで先輩、もしくは同世代でチームを構成してきた佐藤九段。今年は心機一転、後輩棋士をドラフト会議で指名し、新たな戦いを求めていた。新チームの第1局を任せたのは大橋七段。独特なファッションセンスと、居飛車・振り飛車どちらも指しこなす器用さ、研究の深さを持つ高勝率の棋士が、いきなり斬りつけた。第1局は古賀悠聖五段(22)と対戦。先手の古賀五段が矢倉に構えたところ、大橋七段は急戦を選んだ。後手番ながら積極的な仕掛けがうまくはまり、解説を務めた近藤正和七段(52)も「序盤から非常に激しい戦い。最近の居飛車同士の将棋は序盤から目が離せない」と驚く激戦を制した。これで勢いづくと第2局にも連投すると、相手のリーダー郷田真隆九段(52)とは179手に及ぶ大激戦。序盤、中盤とかなり押され気味だったが粘りに粘るとついに逆転に成功。豊富な持ち駒を活かして、一気にまくってみせた。

 完全に流れに乗ったチームには、いい結果が続く。高見七段は第4局、第5局に登場。第4局は郷田九段に対して激しい相掛かり戦から、強烈な一撃を決めて65手で圧勝。第5局こそ古賀五段に151手で敗れたものの、きっちりと仕事を果たしてリーダーへとつないだ。

 そして佐藤九段。第3局、第6局と行方尚史九段(49)との連戦になったが、どちらも向かい飛車を採用して、熱戦に勝利。過去、あまり結果が出ていなかったフィッシャールールへの苦手意識を克服するように、勢いのいい実戦的な指し手が続いた。自らチームの勝利を決める5勝目を手にすると、試合後は「勝利できてホッとしているのが率直なところです。たすきがつながりました」と、チーム全員が白星を手にしてつなげたことに満足そうだった。予選突破にはかなり近い位置につけて、次はチーム糸谷と戦う。

◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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【映像】佐藤康光九段の異名について同世代棋士がトーク
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