自転車のベルを鳴らした子連れ母親に男性が激昂 “分かれる賛否”に若新雄純「幼稚と幼稚がぶつかった残念な出来事だ」
【映像】激昂して前カゴを掴む男性のイメージ図

 幼い子どもを自転車に乗せて、歩道を走っていた女性。注意喚起のためにベルを鳴らしたところ、男性が激昂。カゴをつかみ、恫喝のような言葉を浴びせられ、あまりの剣幕に子どもが泣いてしまったという。

【映像】激昂して前カゴを掴む男性のイメージ図

 女性がこの件についてツイートすると瞬く間に拡散され、男性への非難や、子どもへの心配の声などが上がったが、圧倒的に多かったのが女性に対する批判だった。「注意喚起で歩行者にベルを鳴らすのは違法」「歩道は歩行者優先。声をかけ、自転車を降りて進むべきだった」という声のほか、動画を許可なく投稿したことに対する指摘が集まった。一方で、自転車のベルに関するルールを初めて知ったという声も。

ABEMA Prime』では、道路や公共交通機関での親子連れにどこまで配慮し、理解を深めるべきなのか考えた。

▪️子どもを乗せた自転車の実情

「自転車ベルの正しい使い方」について、鳥飼総合法律事務所 本田聡弁護士は、「『警笛鳴らせ』の標識がある見通しのきかない場所か、危険を避けるために『やむを得ない場合』以外には原則ベルを鳴らしてはならない。『やむを得ない場合』とは、追い越そうとしたら歩行者が進路変更をした場合や歩行者が歩きスマホで前を見ていないときなど、『ぶつかる可能性がある場合』だ」としている。

 騒動になった動画について、数々の子連れトラブルを経験したという7歳の子どもの母親ハナさんは「双方の想像力と言葉が一言二言足りなかったというのが率直な感想だ。母親側はベルを鳴らしてはいけないという知識を得る機会が少なかったのでは。本来は『自転車を降りて押す』べきだが、お子さんを病院に連れて行く途中という事情や、30キロ程度ある自転車で急に乗り降りする危険性を考えるとすごく難しい問題だ」と述べた。

 その上で「以前、ベルを鳴らさずに『すみません』と言ったら、『ベルを鳴らせばいい』『ちゃんと車道を走りなさい』と年配の方に言われたことがある」「“車道を走れ”というのは正しいが、まだ子どもも小さいし、逆に車の運転時には自転車レーンがないと危ないということも感じている。空いている車道ならいいが、車の通りが多いとどうしても危ない。『子どもを守らないと』という気持ちが先行するので、歩道を走らざるを得ないことがある」と実情を話した。

 テレビ朝日平石直之アナウンサーは「以前は私も自転車の前後に子どもを乗せた“3人乗り状態”で保育園の送り迎えをやっていた。重いのである程度スピードを出さないと安定せず、男の私でも倒れそうになっていた。さらに、お迎えや通院などでいつも急かされており、カッカした状態になりやすいのもわかる」と理解を示す。

▪️怒鳴るほうも動画を撮るほうも、どちらも優しくない?

 SNSでは、怒鳴っている男性を支持する声が多いという状況をどう捉えるか。

 EXITのりんたろー。は「もし自分だったら、自分の子どもだったらと考えるとやっぱり怖い。おじさんの剣幕に子どもは泣いていて、トラウマになるかもしれない。法律はもちろんあるが、ブチ切れないような優しい社会を目指すべきだと思う。それは母親も同じで、動画をTwitterにアップしたことで、それを見た第三者がいろいろと発言するわけだ、そういう意味で、優しさが足りないところが重なったと思う」と指摘。

 EXITの兼近大樹は「『ルールを間違えているのはあなただ』ということでものすごく怒るのは怖いことだし、おそらく女性だから、子持ちだから言いやすかったのはあると思う。一方で、『こいつはやばい。みんな一緒にやってしまって、社会的に抹殺しよう』と、危険を顧みず動画を回すのも危ない」とコメントした。

 平石アナウンサーは「ベルを鳴らしたという問題もあるとはいえ、このようなケースで世間は女性に冷たい。ベビーカーを押す母親に男性がぶつかってきた件でも、トータルで見ると男性に厳しすぎるという声も聞かれる。そもそも子どもと一緒にいる状態の大変さは男女に差はないはずで、わざわざ男女に分けて攻撃する必要はないと思う部分はある」と投げかけた。

 プロデューサー・慶応大学特任准教授の若新雄純氏は「これは幼稚と幼稚がぶつかった残念な出来事だったと思う。コミュニケーションが下手な人たちと出くわした時には、根本的なルールについての話をするのか、何を最優先に譲るるべきかを考えるほうが大事な気がする。母親も病院に急いでいるのであれば、即座にその場で頭を下げて謝って行くべきだったかもしれない」と考えを示した。

(『ABEMA Prime』より)

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