電車での“優先席に座る動画”に批判の声 ジョージア駐日大使が説明「9割超が肯定的」「反対意見も学びに」
【映像】批判を浴びたジョージア駐日大使の“優先席動画”
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 ジョージア駐日大使のティムラズ・レジャバ氏(35)のツイートが話題になっている。「ゆらゆら都心へ進みます」と、電車の優先席に座り本を読みながら移動する動画を投稿したところ、「ダメだこいつは」「そこは優先席ですよ!」「わざと? 炎上狙い?」といったコメントが相次いだ。

【映像】批判を浴びた“優先席に座る”動画

 街頭インタビューをしてみると、「優先席に座ってはダメ派」はいたるところにいるようだ。

「僕は座らない。(席を)渡す勇気が出ないので」
「『なんで座ってるの?』と思われる。PRIORITYと書いてあるので、ためらう」
「座らない。優先席は空けとかなきゃいけない、という思い込みというか、座っちゃいけない感じがある」

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 日本での優先席が本格導入されたのは1973年、国鉄や伊豆鉄道でのこと。当初の名称「シルバーシート」から、1997年に「優先席」へ改称され、私鉄にも広がっていった。ちなみに札幌市営地下鉄では「専用席」の名称だが、こちらは高齢者や体が不自由な人の利用を想定して、1975年に定められたものだ。「時間が経っているので、かなり浸透している」(札幌市交通局・林洋輔さん)といい、必要・不要の意見は五分五分だそうだ。

 優先席をめぐっては事件も起きている。優先席に座っていた34歳男性に腹を立て、62歳男性がナイフを突き刺す殺人未遂や、優先席に座り電子タバコを吸っていた28歳男性が、注意した男子高校生を暴行する事件(懲役2年の実刑)もあった。

 今回のツイートについて、レジャバ駐日大使は、このように反論している。

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「空いている席に座ることに何ら問題はありません。大切なのは、必要とする方が来たときに率先して譲る精神です。人間として『当たり前』である、他人に気を配ることができずに、変な社会のルールを押しつけるような、無機質な考えは私は正しいとは思いません」(レジャバ駐日大使のツイートより)

 世界ではどのような扱いになっているのだろうか。現地の人々に聞いてみると、イギリスでは優先席を自由に使え、必要な人がいれば席を立って譲る。フランスでは優先席は見たことがなく、譲ってほしい時には自分から言う。ケニアは優先席がなくとも、自然と必要としている方を優先する雰囲気がある。ルワンダも同様だ。

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 中国は優先席にみんな座っていて、日本のように混雑時に優先席に座れないのは不思議だという。ニューヨークでは、困っている人がいたら元気な人は進んで席を立って譲るといった光景を、日本よりは見かけるそうだ。アメリカ人は決まりには従うが、優先だけど規定がないことには、「それぞれ勝手にしたらいい」との立場だ。韓国には「老弱者席」があり、健康な人や若い人は座らないという。若い人が老弱者席に座ると警察に通報されることもあり、そこには年上を敬う儒教の教えがあるようだ。

 レジャバ駐日大使は1992年、4歳で日本に移住。早稲田大学卒業後、キッコーマンに入社し、2018年にジョージア外務省へ入省した。Twitterのフォロワー数は23万強の「バズる大使」として知られ、3人の娘を持つ父親でもある。

そんなレジャバ駐日大使が、6月25日の『ABEMA的ニュースショー』に出演し、改めて一連の反応を振り返った。

電車での“優先席に座る動画”に批判の声 ジョージア駐日大使が説明「9割超が肯定的」「反対意見も学びに」
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「隣が空いていたので、万が一何かあっても大丈夫だろうと保険をかけたが、ここまで反響があるとは思わなかった。(意見の)95%以上は『そうだよね。空いているんだったら座っていいよね』。みんなが思っていることだったんじゃないかと思うが、そう思わない方の意見にも耳を傾ける必要がある」(レジャバ駐日大使)

なかには、日本では席を譲ってと声をかけられない内気な人も多く、そうした人々のために優先席を空ける必要があるという意見もあり、「学びになった」とレジャバ駐日大使は語る。なおジョージアに優先席はないという。

「いろんな意見があるのがいい。100%正解はなく、両方の意見を取り入れた形で、これからも電車に乗っていきたい」(レジャバ駐日大使)

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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