様々なところで導入が検討されている「ChatGPT」。神奈川県横須賀市を皮切りに、自治体でも導入が始まっている。
6月に発表された横須賀市の「ChatGPT実証実験」の結果報告では、8割以上の職員が「仕事の効率が上がる」と回答し、7割以上が「利用を継続したい」としている。ただ、半数の職員が「適切ではない答えがくることがある」と述べていて、課題もみられた。
自治体でのChatGPT導入について、『ABEMAヒルズ』に出演したスタートアップ企業を支援する渋谷区グローバル拠点都市推進室長の田坂克郎氏は次のように評価する。
「横須賀市の取り組みは、自治体内部の“中の人”で使っているところが市民に迷惑をかけないという意味で、リスクの非常に少ない良い方法だ。実際、役所は文章を書くことがすごく多い職場だ。自分も使ってみたが、かなり作業が削減される。こういう取り組みがどんどん増えたらいいなと思う。後は新しいなにかを始めるとなった際、ChatGPTで分析してもらうなどの使い方も助けになると思う。一方で、これを市民に向けたサービスに使うことにはリスクがあるだろう。例えば、市が行っている取り組みをChatGPTに質問しても、正確な答えが返ってくるかは難しいところだ」
一方、東京でもChatGPTの導入の検討が始まっている。23区内では江戸川区が7月中旬から利用を始める予定だ。情報漏えいを防ぐ方法として「個人情報や機密情報の取り扱いの禁止」「職員による確認と修正を必ず行う」などのルールを作成。職員向けの研修会を開催し、活用方法や利用時の注意事項などを全庁で共有するという。
東京都も8月に導入する方向で進んでいて、小池都知事は「プラス面とマイナス面を見極めながらより良い都政の実現に活かしていく」と述べている。
このニュースについて田坂氏は、渋谷区での動きを明かす。
「渋谷区全体ではまだないものの、都から『海外向けの広報面でChatGPTが使えるのではないか』などのアナウンスがあり研修はあった。私の部署に関して言うと、スタートアップとの実証実験ができないか検討している。いま海外の人に『日本で起業してほしい』と働きかけていて、問い合わせも増えている。ただ、その問い合わせを捌くのが大変になってきているので、そういった部分をChatGPTで補うことで業務の負担軽減ができればと考えている」
(『ABEMAヒルズ』より)
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側