<大相撲七月場所>◇初日◇9日◇名古屋・ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)
前頭六枚目・北青鵬(宮城野)が、前頭五枚目・阿武咲を寄り切りで下した一番で、解説を務めた元横綱・若乃花の花田虎上氏がその取組内容を称賛した。
身長2メートル4センチと現役力士最長身で、脚長かつ腰高という恵まれた体格の持ち主である北青鵬。先場所はその特徴を活かし、棒立ち状態で左手をだらりと脱力したまま、右手で豪快に肩越しの上手を掴むという斬新な攻めを展開するなどで、相撲ファンを沸かせた。解説席から「常識が通じない」という驚きのコメントが飛び出たほどだ。ABEMAのコメント欄にはある種の異様な光景に「棒立ち」「脱力系」といった声が寄せられていた。
しかし、今場所は脱・脱力系と言わんばかりに、北青鵬は阿武咲のまわしに手をかけると一気の寄りを見せて完勝。この取組を受け、ABEMAの解説席に座った花田氏は「立ち合い、阿武咲はスピードとパワーで持っていくんですけど、北青鵬は関係なく腰が下りてましたね。ちゃんと右から当たっていくという。先場所よりも体が低くなっているんです」と指摘。実況の舩山陽司アナウンサーが「先場所と(北青鵬は)全然違います?」と聞くと、花田氏は「全然違う」と言い切った。
舩山アナが「となると、これは驚異の存在じゃないですか。台風の目になりそうな」と話すと、花田氏は「師匠の宮城野親方(元横綱の白鵬)の稽古方法でしょうね。この身長で腰を落とされたらどうしようもできないです。これは今場所、面白くなるな。この腰の位置を絶対に徹底していくことですね」と北青鵬の進化した姿に驚いていた。
(ABEMA/大相撲チャンネルより)