「全ての学問はパズルでできている。社会のあらゆるところにもパズルが入り込んでいる」
【映像】斜めに「1、2、3、4、5、6…」問題の答え(画像あり)
日本の総人口約1億2500万人中、たった1人だけ「パズル学」で博士号を取った東田大志さん。娯楽や暇つぶしと思われがちだが、東田さんによると「この世はパズルでできている」という。
「歴史の中で人類はいろいろなパズルを解くことによって進化してきた。パズルの視点から、人類の進化の過程が見えてくる。例えば、昔はパズルを解けた人が神官に抜擢されるなど、重要な局面でパズルを解ける人が選ばれてきた社会があった。今でも試験などでパズル的な問題が出されている。それらを解けるかどうかによって、地位が決まる。ちゃんと分析していくことで、社会の問題点もあぶり出していくことができると思うし、社会にはもっとパズルが必要だ」
▲東田さんが考えた問題の一例
小学2年生の時に解いたクロスワードパズルをきっかけに、パズルにのめり込んでいった東田さん。問題を作れるようになってからは、雑誌に投稿したり、自作のパズルを1枚10円でクラスメイトに売ったりしていたという。
「京都大学にすごく心の広い先生がたくさんいて、パズル学で博士号を取った。本当は美学や美術史の先生だったが『パズルも芸術に近い要素がある』ということで、先生が使えそうな理論を教えてくださった。そこからどうにか博士号をもらうことができた」
今まで1万問以上のパズルを作ってきたという。どのようなパズルを作るのが好きなのか。
「クロスワードパズルを作るのも好きだが、得意なのは虫食い算のような数字を使ったちょっと算数チックなパズルだ。数学とパズルは、線引きがすごく難しい。数学の問題はパズルと言ってもいいものが多い。ただ、私は特別な知識がなくても解けるものパズルと言うようにしている」
今はパズルと禅の関係について研究しているといい「本当は出題者が持ってないような答えを出してくる人こそ、評価されるべきだ」と話す。
「創造性や新しいものは、出題者が知らないことから生まれてくるはずだ。それを評価するシステムが必要だと思う。禅問答に注目したのは、出題者も答えを持っていないからだ。それぞれの人が自分の中で考える。何か問題点が起きた時、すぐに諦めない、自分の力で解決したいという気持ちが、社会を動かす原動力になっていると僕は思っている。今の子どもたちはすぐに答えが出ないと諦めちゃうことが多い。『学校で習っていないからできない』と思ってしまう。でも『そうじゃない、自分の頭で考えたら答えが出せることもある』と、パズルから知ってほしい」
現在、東田さんは全国47都道府県でパズルのビラを配る活動をしている。東京でも渋谷や秋葉原などでビラを配ったことがあるという。
「パズルにもいろいろな種類、美しさがある。まず、解く以前に見ただけで美しいパズルが存在している。解いていく過程にも美しさがある。簡単すぎず難しすぎず、面白いぐらいの難しさがいい」
(「ABEMA Prime」より)
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