藤井聡太棋聖、20歳ラスト対局で防衛V4達成 佐々木大地七段を3勝1敗で破り七冠堅守 タイトル戦無敗で通算獲得数は16期に/将棋・棋聖戦五番勝負
【映像】藤井棋聖が防衛を決めた棋聖戦五番勝負第4局

 将棋の第94期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第4局が7月18日、新潟市の「高志の宿 高島屋」で指され、藤井聡太棋聖(竜王、名人、王位、叡王、棋王、王将、20)が佐々木大地七段(28)に勝利した。この結果、シリーズ成績を3勝1敗として棋聖位の防衛4連覇を達成。自身初タイトルとなった第91期(2020年度)棋聖戦五番勝負以来、敗退なしで通算獲得数を16期に伸ばした。

【映像】藤井棋聖が防衛を決めた棋聖戦五番勝負第4局

 あす19日に誕生日を迎える藤井棋聖が、20歳最後の対局で防衛4連覇を決めた。藤井棋聖の2勝、佐々木七段の1勝で迎えた第4局は、挑戦者得意の「相掛かり」の出だしに。互いに勝負所を迎えているとあり、細かな駆け引きを経て前例の無い難解な展開へと向かった。中盤戦では、互いに慎重に持ち時間を投入。相中住まいで繊細な端の折衝が行われ、佐々木七段がわずかにペースを握ったと見られていた。

 終盤戦で攻め合いへと発展すると、藤井棋聖がじりじりと押し戻してリードを拡大。中盤での長考を活かし、終盤に突入するとほとんど持ち時間を使わずに猛攻を仕掛けていった。佐々木七段も負けじと真っ向勝負となり、互いに技をかけあう大熱戦が繰り広げられた。最終盤では藤井棋聖が手堅い選択をしたところから、佐々木七段が逆転。しかし高難度の攻めを繋ぎきれず、再び流れは藤井棋聖側へ。ここから藤井棋聖が冷静に押し切り、手に汗握る激戦を制した。

 勝利した藤井棋聖は一局を振り返り「序盤から佐々木七段に積極的に動かれて、ペースを掴まれてしまって苦しい時間の長い将棋だった。その中でも最後、終盤まで粘り強く指すことができたのかなと思っていますし、防衛できたことをすごく嬉しく思っています」とコメント。「今回のシリーズは自分としても勉強になった将棋が多かったので、それをしっかり振り返って来期より実力を高めてこの舞台の臨めるように頑張っていきたい」と語った。

 一方、自身初のタイトル戦を戦い終えた佐々木七段は「初めて和服を着ての対局で慣れない部分もあったが、収穫も多かった。これを活かすためにはさらに活躍してこの舞台に戻ってこれるように頑張りたい。改めて、初めてタイトル戦でいろんな方に応援していただいたことが力になったと思う」とファンへの感謝を口にした。

 この結果、藤井棋聖は自身初タイトルの棋聖位の防衛を果たし、4度目の戴冠となった。現在、藤井棋聖と佐々木七段は並行して伊藤園お~いお茶杯王位戦七番勝負を戦っている。タイトルホルダーの藤井棋聖が2連勝と好発進しているが、第3局は次週の7月25・26日に北海道小樽市で予定されており、休息の時間はまだまだ先になりそうだ。

 七冠の一角を守った藤井棋聖だが、次なる目標の王位防衛とともに史上初の八冠獲得も視野に。残す最後のタイトル・王座は挑戦者決定戦まで駒を進めており、8月4日に運命の一戦が予定されている。藤井棋聖にとって初の王座挑戦を決めることができるか、重要対局は今後も目白押しとなっている。藤井棋聖が切り拓く新たな世界へ、胸躍る暑い夏はこれからも続く。

 ◆藤井 聡太(ふじい・そうた) 2002年7月19日、愛知県瀬戸市出身。中学2年生時の2016年10月に史上最年少で四段昇段、史上5人目の中学生棋士となる。2020年度の第91期棋聖戦でタイトル初挑戦。渡辺明棋聖(当時)を破り、17歳11カ月で最年少タイトルホルダーとなった。以降獲得と防衛を重ねて、竜王2期、名人1期、王位3期、叡王3期、棋王1期、王将2期、棋聖4期の通算16期。2022年度には全4つの一般棋戦を制覇し、棋戦優勝は9回に。2023年度に入ると第81期名人位の獲得により、20歳10カ月で最年少名人と史上2人目の七冠獲得を同時達成した。通算成績は333勝66敗、勝率は.835。趣味は鉄道、チェス。
ABEMA/将棋チャンネルより)

【中継】第94期ヒューリック杯棋聖戦 五番勝負 第四局 藤井聡太棋聖 対 佐々木大地七段
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