先週行われたNATO首脳会議にパートナー国として参加した日本。「中国への牽制」のためにNATOの事務所を東京に開設する案も議論されが、結果的にNATO加盟国の“温度差”が表面化することとなった。
2日間にわたって開催されたNATO首脳会議。ウクライナ一色に思えた今回のサミットだが、“パートナー国”として2年連続で出席した日本はもう1つ「対中国における安全保障」という重要なテーマをもって臨んでいた。
「欧州とインド太平洋の安全保障は“不可分”である」(岸田総理)
岸田総理は会議の中で、覇権主義的な動きを強める中国への危機感を念頭にNATOに加盟する欧米各国に対し、アジアの安全保障に関与するよう促した。元来、ロシアに対抗する枠組みであるNATOだが、ここ数年は中国への警戒感を隠さなくなってきている。2022年6月に採択されたNATOの新たな「戦略概念」では、初めて中国について明記された。
「中国はNATOの利益・安全保障・および価値に対する“挑戦”である」
そんななか、対中国をめぐる動きで関心が集まっているのがNATOの東京事務所の設置だった。NATOは、複数の非加盟国に連絡事務所を設置し、情報共有や、連携強化の拠点にしてきた。それをアジアにも広げる計画が進み、東京はその先駆けとなりNATOの姿勢を象徴するものになるはずだった。しかし…。
「インド太平洋は北大西洋ではない。NATO圏外に“存在感”を示そうとしている印象を与えてはならない」(フランス・マクロン大統領)
中国との経済面での関係に配慮するフランスなどが反対にまわり、開設は見送りに。対ロシアでは足並みがそろったNATOだったが、対中国となると、一筋縄ではいかないようだ。
(『ABEMAヒルズ』より)
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