「#政治家はネットのエロ広告規制に動いてください」
最近Twitterに浮上したこのハッシュタグ。スマホやネットを触っていると、飛び込んでくる卑猥な広告に規制を求める声があがっている。勝手に表示されてしまうことに加え、タブレットで勉強する学校が増える中、「子どもも見てしまう」と多くの人が不快感を訴えている。
一方で、「エロ広告を取り締まるのは表現の弾圧ですよ!」「需要があるから広告があるわけで、排除はおかしい」「てか、規制して効果ある?」という声も。
果たして、規制は必要なのか。どう規制すべきなのか。『ABEMA Prime』では、「#ネットのエロ広告規制に動きます」と声をあげた自民党の今枝宗一郎衆議院議員を招き議論した。
今枝議員は現場での問題意識として、「1人1台タブレット端末などを渡していくGIGAスクール構想が動いている。その端末は教育活動のみで使うはずだが、ポップアップなどでいろんなかたちのエロ広告が出てくる問題があり、これはさすがに対応しなくてはいけないだろうと動いているところだ。詳しい人は“フィルタリングすればOKでしょ”と考えると思う。無償のものは去年9月で90.7%カット、今はさらに高まっているが、ポップアップなどでのエロ広告は有償のものでないと対応できないので、ここに対応していこうと思っている」と説明。
では、教育上どのような問題があるのか。「エロ広告にもいろいろあるが、中には暴力的なものも多くあると思っている。それらは認知活動的に変わっていく可能性があると思うので、教育上まずいと捉えている」「本来の教育上とは違う目的で使われるのはよろしくない」との見方を示した。
一方、作家・ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「有償フィルタリングなどに予算を当てて導入しようという話は賛成だが、『規制』という言葉を安易に使うべきではない」との考えを述べる。
「そもそもフィルタリングは規制ではなく単なる運用だし、表現の自由に関わる問題でもある。ネット広告が表示される仕組みは、閲覧履歴からのターゲティングと、その人の属性によるもの。もう1つ、サイト自体がエロ広告をどうしても表示してしまうものがある。Googleやヤフーなど大手のネット広告はエロ要素のものが入らないが、審査ではねられたアフィリエイトサイトやマイナーなサイトが第2、第3のアドネットワークを使った結果、大量にエロ広告が表示されるという問題は確かにある。ただ、これはネット広告の問題としてずっと言われていることだ。仮にエロ広告を規制したとして、怪しいアフィリエイトビジネスやFX投資などの広告が大量に入ってくる結果に終わるだろう。広告モデルそのものを考え直さない限り、根幹的な問題は解決しないのではないか」
これを受け今枝議員は「“ネットを使うとそういう広告が出てくるものだ”と知ることは、啓発や教育で行っていくという話でいいと思う。例えば、Braveとかweb3の技術を使ったようなブラウザで、ほとんど広告が出てこないというものもある。ただ、それで全て対応できるわけではないと思うので、有償フィルタリングをGIGAスクール構想の端末に入れていくということをしっかりと進めていきたい」と述べた。
佐々木氏は「Braveは広告ブロック機能がめちゃめちゃ強力で、全く表示されない。無償だからそれを使えばいい話だが、今度は健全な広告まで表示されなくなる。みんなが使うと、インターネット広告というビジネスモデルそのものが崩壊してしまいかねない、という問題も内包している。ある程度不快だと思いながらも、広告を許容しているのが今のWebの世界。家庭ならBraveみたいなブラウザなどを使って自衛することはできるが、どこからどこまでを排除すればいいのかという線引きがすごく難しい」とした。(『ABEMA Prime』より)
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