<大相撲七月場所>◇十三日目◇21日◇名古屋・ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)
新入幕の前頭十七枚目・伯桜鵬(宮城野)が前頭筆頭・錦木(伊勢ノ海)を内掛けで下し、10勝目となる勝ち星を挙げた。関脇・若元春(荒汐)と関脇・大栄翔(追手風)の関脇対決では若元春に軍配が上がった。また、関脇・豊昇龍(立浪)は大関・霧島(陸奥)を寄り切って3敗を死守。混迷を極める七月場所に、ファンも「優勝分からんぞ」「誰が優勝してもおかしくない」と白熱した。
“令和の怪物”の快進撃が続いている。十一日目に元大関を、十二日目に三役を下した伯桜鵬は、十三日目、優勝争いのトップタイに立つ錦木と対戦。錦木は今場所、横綱、大関(不戦勝)、3関脇を下してきた強敵だ。立ち合い左からおっつけて攻めた伯桜鵬は、左四つに組むと錦木に寄られ、土俵際に追い詰められるも粘って残した。組み合ってしばらく互いに慎重に出方をうかがっていたが、最後は伯桜鵬が一気に引きつけると華麗な内掛けを決めて錦木に土をつけた。勝った伯桜鵬は2桁となる10勝目。敗れた錦木は痛恨の3敗目を喫した。
場所前に大関への同時昇進が期待されていた若元春と大栄翔の一番では、立ち合い頭から力強く当たった大栄翔が一気に前進。だが回り込んだ若元春が残すと、大栄翔の厳しいのど輪にも屈せず、最後は若元春が下がりながらはたき込みを決めて関脇対決を制した。勝った若元春は9勝目。一方、敗れた大栄翔は5敗目を喫し、大関昇進目安の3場所33勝に届かないことが決定した。
また、同じく大関昇進をかけて3場所33勝まで残り全勝が必要な豊昇龍は新大関の霧島に挑戦。立ち合い右に動いて上手を取りに行くと、頭をつけて左四つに。半身の霧島が苦しい体勢となった。その後も豊昇龍は厳しく攻め続け、霧島が首を掴んで下手投げに出ようとしたところを、すかさず前に出た豊昇龍が寄り切って10勝目の勝ち星を挙げた。勝った豊昇龍は大関昇進への望みをつなぎ、3敗を守って優勝の可能性も残した。敗れた霧島は5敗目(2休)を喫した。
さらに、前頭九枚目・北勝富士(八角)は前頭十六枚目・遠藤(追手風)を寄り切りで下して2敗を死守。十三日目の全取組を終えて、幕内の優勝争いは北勝富士が2敗で単独トップ、3敗で豊昇龍、錦木、伯桜鵬が追う展開となった。
混迷を極める七月場所に、ファンも「優勝分からんぞ最後まで」「誰が優勝してもおかしくない」「盛り上がって参りました」と大興奮。新入幕ながら優勝争いに絡む伯桜鵬の活躍に「これは来たよ新星」「スター誕生」「人生3周目くらいか」と称賛の声も相次いでいた。伯桜鵬は十四日目、北勝富士との対戦が組まれている。(ABEMA『大相撲チャンネル』)