<大相撲七月場所>◇十四日目◇22日◇名古屋・ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)
昭和以降最速タイの所要3場所で新入幕の前頭十七枚目・伯桜鵬(宮城野)が、同じく優勝争いを繰り広げている北勝富士と対戦。19歳の若手が31歳のベテラン力士と対峙したが、最後は突き落としで勝利し、11勝3敗で優勝争いトップに並んだ。解説の元若乃花は「よーく考えてますよ」と、伯桜鵬のクレバーな取組を絶賛した。
取組前から気合十分の表情を浮かべていた伯桜鵬は、北勝富士の圧力に追い詰められる場面もあったが、土俵際で逆転の突き落とし。物言いがつき、館内は騒然となったが、審判長から「伯桜鵬のかかとが残っているかの確認でしたが、残っていました」と説明が入り、軍配通り伯桜鵬の勝利。優勝争い単独トップを走る北勝富士を自力で引きずり下ろし、賜杯の行方は千秋楽へと持ち込まれた。
この取組を受け、ABEMAで解説を務めていた元横綱・若乃花の花田虎上氏は「立ち合い北勝富士は差しにいきましたけど、伯桜鵬はここから巻き返したいわけですよね」「すると伯桜鵬は上手を一回叩くんですよ。北勝富士の脳が左腰を意識するように。これはよーく考えてますよね。研究してるのか、持って生まれたものなのか」とコメント。
それから「動きも良いし、真正面に持っていくというね」「伯桜鵬は全部考えての相撲でしたね」とクレバーさを称賛すると、同じく実況の元NHK・藤井康生アナウンサーも「随所に何かセンスを見せるというね」とため息混じりでコメントしていた。
解説を聞いて、ABEMAの視聴者は「この引き出しの多さよ」「頭いいんやろな」「伯桜鵬すごい力士、本物だ」などと反応。千秋楽で優勝を決めれば新入幕の優勝は1914年の両国以来109年ぶりとなるが、これに対しても「映画みたいだな」「観戦が楽しみになってきた」と期待する声が寄せられていた。
なお、千秋楽、伯桜鵬は同じく3敗の関脇・豊昇龍(立浪)と対戦。北勝富士は4敗の前頭筆頭・錦木(伊勢ノ海)と取組を行う。
(ABEMA/大相撲チャンネル)