将棋の藤井聡太王位(竜王、名人、叡王、棋王、王将、棋聖、21)が、7月25・26日に北海道小樽市の「料亭湯宿 銀鱗荘」で行われた伊藤園お〜いお茶杯王位戦七番勝負第3局で挑戦者の佐々木大地七段(28)を敗り、開幕から3連勝を挙げた。シリーズ成績は藤井王位の3勝。21歳の誕生日を迎えて以来の初対局と公式戦通算400戦目で白星で飾った。次戦で藤井王位が防衛4連覇を達成するか、佐々木七段が意地を見せるか、注目の第4局は8月15・16日に佐賀県嬉野市の「和多屋別荘」で行われる。
7月19日に21歳となった若き七冠王が、開幕3連勝で防衛4連覇に“王手”をかけた。藤井王位の連勝で迎えた本局は、今シリーズ初となる角換わりの出だしに。挑戦者の佐々木七段は絶対王者の得意戦法を受けて立ち、後手番ブレイクに挑んだ。直近2年で先手勝率8割超えと圧倒的な力を誇る藤井王位は、細かな工夫を散りばめて繊細な駆け引きへと誘導。佐々木七段も堂々と応じて積極性を見せた。
同時並行で行われ18日に閉幕したヒューリック杯棋聖戦五番勝負と合わせて“真夏の十二番勝負”を戦い、多くの時間を共有している両者。毎局大熱戦が繰り広げられており、本局でも濃厚な長考合戦を経て形勢不明の時間が長く流れていた。佐々木七段は働きの弱かった馬を活用するため局面を動かしに行ったが、わずかな隙間に藤井王位が銀打ちで後手陣をこじ開けていく。先手は鉄壁の玉形を活かして連続王手で後手玉を猛攻。相手の攻めを呼び込む受けの手を重ねて、最後は香車の犠打から後手を追い込み超難解な一局を制した。
終局後、藤井王位は「中盤にかけてどういった形で攻めを見せていくかという構想が非常に難しい将棋でしたが、方針が定まらないまま指してしまったところがあったので、そのあたりは課題が残ったかなと思います」とコメント。敗れた佐々木七段は「受けに回ろうかなというところでじっと対応されて、こちらが苦しい時間が長く続いてしまった。中終盤は多少は粘って急所が見えないようにというのは心掛けていましたが、徐々に悪化していったかなという気がします」と語った。
この結果、シリーズは藤井王位の3連勝。防衛4連覇に向けてあと一歩とともに、公式戦通算400戦目を白星で飾った。後が無くなった挑戦者にとっては、次戦の先手番では何としてでも初白星が欲しいところ。大勝負が迫っているが、第4局の前の8月4日には藤井王位の“八冠ロード”で初挑戦を目指す王座戦挑戦者決定戦が控えている。334勝66敗、勝率0.835の好成績をひっさげ次なる大挑戦へ、将棋界内外から大注目を集めることになりそうだ。
藤井王位が防衛4連覇を達成するか、佐々木七段が意地を見せるか、第4局は8月15・16日に佐賀県嬉野市の「和多屋別荘」で行われる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)