8月2日に京セラドーム大阪で行われたオリックス・バファローズ対東北楽天ゴールデンイーグルスの一戦で巻き起こったオリックスの走塁を巡る判定と、オリックス・田口壮外野守備走塁コーチの“激怒抗議”のひと幕について、野球解説者のG.G.佐藤氏が言及した。

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問題となったのは、2-2の同点で迎えた7回裏・オリックスの攻撃、1死一、二塁の場面。ここで、オリックスの4番・中川圭太の打球はライトへの大飛球に。そのままライトオーバーの長打となりそうな気配であったことから、オリックスの二塁走者・宜保翔と、一塁走者の紅林弘太郎はすぐさまスタート。しかしこの打球を楽天のライト・小郷裕哉が背走しながらの見事なキャッチでアウトにすると、飛び出した走者を刺そうとすぐさま内野へと返球することに。無論、既にスタートを切っていた宜保と紅林は慌てて帰塁することとなったが、このプレーの直後に楽天側がリクエストを要求。実はこのリクエスト、紅林が一塁へと帰塁する際に、二塁ベースを踏まずに帰塁したのではないか?という指摘であった。

たしかにこの場面、仮に紅林がスタートを切った後で二塁に到達し、そこからさらに三塁へと向かっていたとするならば、一塁へと帰塁する際には、再度、二塁ベースを踏んでから一塁へと戻らなくてはならない。ルールでは必ずこれまで踏み進んだベースを逆回りのような形で踏みなおして帰ることが決められており、そうした意味では、楽天側のリクエストは妥当なものに見える。しかしこのプレー、オリックス側の認識では、まったく異なるものであったのだ。

というのも、オリックス側は、一塁走者の紅林がスタートを切った後、二塁を「蹴っていない」という認識、あるいは、「勢い余ってオーバーラン気味に走っていただけであり、まだ三塁へは向かっていなかった」といった認識だった模様だ。そのため、楽天側が指摘する「二塁ベースを再度踏む必要性」そのものが存在しないため、紅林は「二塁を踏まなくて当たり前」という判断となるのである。