8月8日、X(=旧Twitter)の「広告収益分配プログラム」が日本でも開始された。「多額の収入が得られるのでは?」「つぶやくとお金になる」と待ちわびたユーザーも多かったが、期待通りの内容ではなかったようだ。
【映像】Xが提示した「広告収益分配プログラム」の3つの参加条件
このニュースについて、『ABEMAヒルズ』はITジャーナリストの三上洋氏に話を聞いた。
「今回のプログラムだけで食べるのは事実上無理だと思う。ただ、これによって沢山ツイートしてバズることを狙ってくるユーザーが増えることは間違いない」(三上氏、以下同)
Xは7月14日、クリエイター活動を支援することを目的に今回のプログラムを開始した。これにより、実際に収益を得たユーザーから金額を報告する投稿が相次いだ。
「100ドルいかないくらい。サブスク代くらいは稼げるかな?」「結構バズってたのにたった200ドル。でも貰えるだけありがたい」(Xの投稿から)
フォロワーを200万人以上抱える有名人ですら月数万円程度だったとのこと。「Xでバズって一獲千金」とはいかないようだ。しかも、このプログラムは誰でも参加できるわけではなく、“一定の条件”が設けられている。
『XヘルプセンターHPに掲載されたプログラム参加条件』
1.Xプレミアム(Twitter Blue)または認証済み組織
2.過去3カ月間の累計インプレッション(表示された回数)が1500万以上
3.フォロワー500人以上
ネットでは「分配金の計算が不透明」「得られる金額が思ったよりも少ない」などの声が上がっているが、三上氏はそれでもプログラムへの参加条件をクリアするために、デマや無断転載などの数字目的の不適切な投稿が横行してしまう可能性を指摘している。
「(インプレッション)1500万以上は、よほど大きなバズりがないと達成できない。その中で心配されるのはフェイクニュース。自分が体験をしていないのに、ウソを書き込んでしまうとか、いわゆる著作権侵害で(画像・動画・人物)を勝手に流用をしてバズりを狙うことが心配される」
一方で、Xが広告収益分配プログラムを導入した背景について三上氏は次のように話す。
「Twitter(X)は毎日数億円の赤字を垂れ流してしまっている状態。イメージが非常に悪い中、広告収益分配を行うことで、ユーザーの活性化を狙っている。ユーザーにプラスになる機能を提供することで、イメージアップする戦略」
7月15日、イーロン・マスク氏は自身のアカウントで「広告収入が最大50%減少しているうえ、多額の負債を抱えている」と投稿していた。
厳しい状況だが、一部のユーザーが期待する分配金の増額はあるのだろうか。
「今まで以上にお金を配るのは難しい。制限が厳しくなり、入ってくる収入がより減ったり、今後改悪ということも考えられる」
(『ABEMAヒルズ』より)
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側