佐藤天彦九段「今日は戸辺デー!」戸辺誠七段の3戦全勝の活躍賞賛 強豪・チーム羽生破り準決勝一番乗り決める/将棋・ABEMAトーナメント
【映像】3戦全勝と大活躍だった戸辺誠七段を労うチーム天彦

 勝って勝って勝ちまくる!そんな強い気持ちが大きな実を結んだ。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」本戦トーナメント2回戦・第1試合、チーム羽生とチーム天彦の対戦が8月12日に放送された。佐藤天彦九段(35)率いるチーム天彦は、絶好調の戸辺誠七段(37)が3戦3勝と大活躍。今大会負けなしの羽生善治九段(52)の反撃をかわし、最終スコア5勝2敗で勝利した。この結果、チームは初のベスト4進出が決定。次戦はチーム永瀬VSチーム糸谷戦の勝者と決勝進出をかけて戦う。

【映像】3戦全勝と大活躍だった戸辺誠七段を労うチーム天彦

 この日の主役は、レジェンドでも貴族でもなく“戸辺攻め”だった。戸辺七段は初戦を任されると、チーム羽生の新鋭・伊藤匠六段と激突。中飛車の出だしから、経験値で二十歳を圧倒。解説を務めた先崎学九段(53)からは「史上最高級の“戸辺攻め”でしたね」と絶賛のコメントが飛び出すほどの快勝発進となった。続く第2局は三枚堂達也七段(30)が登板。同世代の梶浦宏孝七段(28)との相掛かり戦で中盤以降にリードを広げ、瞬く間に勝ちへとつなげた。

 2連勝スタートでこの勢いに続け、と第3局は佐藤九段が登場。タイトル戦を戦った間柄ながら「フィッシャーで指すのは初」という羽生九段とのリーダー対決が実現した。佐藤九段は「やってみたい形がある」という横歩取りの将棋だったが、羽生九段の対応力が上回り軍配は“レジェンド”に上がった。

 2-1で迎えた第4局で再び戸辺七段が登場。先後を入れ替え伊藤六段との再戦が決まった。戸辺七段の中飛車に対し、今度は負けじと伊藤六段が強気に攻めかかって一時はリードを奪うも、戸辺七段は千日手を打開する勝負手から形勢を逆転。ギリギリの大激戦を制し、2つ目の白星を手にした。

 後半戦に入ると、負けられない両軍はそれぞれリーダーが1勝ずつ飾ってチーム天彦の4勝2敗に。決着を付けるべく、第7局は戸辺七段が担うこととなった。対するは丁寧な差し回しで安定感が光る梶浦七段。戦型は角交換四間飛車となった。チーム初の4強入りを目指し、戸辺七段は強く△5五角。梶浦七段も簡単に折れるわけにはいかないと混戦に持ち込んだが、戸辺七段が切れ味鋭い△2六角から実践的な差し回しで押し切り勝利を飾った。

 5-2でチーム羽生を破り初の準決勝進出を決めた佐藤九段は、「チームメンバーに助けられた。特に戸辺さんの勢いがすごくて、今日は戸辺デーと言ってもいい!」と圧巻の3連勝を飾った戸辺七段を絶賛。“MVP”級の活躍を遂げたこの日の主役は、「出来すぎです!自分でもビックリ、泣きそうです!」と喜びを爆発させていた。準決勝一番乗りを決めたチーム天彦は、次戦でチーム永瀬VSチーム糸谷戦の勝者と決勝進出をかけて対戦。厳しい戦いは続くが、目標はただひとつ。チーム天彦はひとっ飛びで頂点を目指す。

◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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