10カ国語を話せる“多言語学習の達人”に聞く、語学習得の極意 「ロシア語が一番深い」「ヨーロッパは大きな意味でみんな方言」
【映像】ロシア語・ウクライナ語・チェコ語を余裕で話す黒田教授
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 授業で習った英語すら喋れない人も多いなか、今回『ABEMAヒルズ』は10カ国語以上話せるという「多言語学習の達人」、神田外語大学の黒田龍之助特任教授に話を聞いた。

【映像】ロシア語・ウクライナ語・チェコ語を余裕で話す黒田教授

「ロシア語の教師で、ロシア語が専門。ロシア語以外だと、ウクライナ語・ベラルーシ語・チェコ語・ポーランド語・セルビア語・英語・ドイツ語・フランス語・イタリア語などは時々使うことがある」(黒田教授、以下同)

 10カ国語を使いこなす黒田教授。話すときに意識しているポイントは何か。

「言葉には全体を覆うようなメロディーがある。ロシア語とウクライナ語は同じメロディーだと感じている。だけど、そこで入って来る語彙や音が少し違う。チェコ語はまったく違うメロディー」

 黒田特任教授によると、ロシア語とウクライナ語のように似ている言語には、『喋れないけど意味は分かる』という関係ができるのだとか。こうした関係は日本語と他の言葉には無いというが、感覚は日本語の方言の違いに近いと話す。

「似ているチェコ語とスロバキア語を使い分けるのは、東京方言と関西方言を使い分けるくらい難しい。ヨーロッパは大きな意味でみんな方言を喋ってる」

 そんな黒田教授が外国語の勉強を始めたきっかけは、ラジオ講座だった。

「当時、英語は中学生から学ぶ教科だったが、入学1年前に親戚に勧められラジオ講座を聴くようになった」

 続けて、一番深く勉強した言語について聞くと「ロシア語が一番深くて、中学3年生から1人でテレビ講座を見ていた。高校生からは街の語学学校に通い、ロシア語を週に1回学んでいて、高校3年生ぐらいから授業が終わったあとでロシア語専門学校に通っていた」と明かした。

 他にもラジオ講座でフランス語なども勉強した黒田教授。大学に進学後、ロシア語を専門にしたいと志し、理解を深めるため、言語学的にロシア語に近い言葉を勉強したとのこと。そこまでロシア語に惹かれた理由は何か。

「ロシア語はあまり評判が良くない。僕がロシア語を始めたのはソビエト連邦がアフガニスタンに侵攻した1979年で、日本中から悪く言われている時だった。国や文化が全て悪いことは無いのではと思い、僕ぐらいはいい面を引き出したいなと」

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 こうしていくつもの言葉を学んだ黒田特任教授。多くの言葉を知ることでしか得られないものもあるそうだ。

「外国語を1つだけ学ぶと、ネイティブ(スピーカー)が神様になる。だけど、2つ、3つ、4つとやっていくと立場が平等になる。『あなたは英語はそれほどじゃないかもしれないけどロシア語ができるんだからね』『ロシア語も大したことないかもしれないけど、チェコ語も知ってるんだから』と、色んな視点を持った人間には敬意を払ってもらえる」

 学校で習った英語すら使いこなせない人も多いかもしれない。最後に、多言語学習の達人に勉強のコツを聞いてみた。

「言葉は何かイメージしないと喋れない。ネイティブだったらこんな風に発音するのかなとイメージする。例えば、英語を話すときに誰をモデルにして話しているのか。それがあるかないかで勉強が全然違う。それは別に自分の先生でも、映画俳優でも、歌手でもいい。かっこよく喋るときのイメージを自分で作っていく。少なくとも好きなことだから時間をかけるようになる。言葉は時間をかけなくちゃダメ。言葉は正直なもので、時間をかけた分返ってくる」

(『ABEMAヒルズ』より)

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