藤井聡太竜王への挑戦者は20歳・伊藤匠六段に決定 挑決三番勝負で永瀬拓矢王座に勝利 注目の“同学年”七番勝負は10月6日開幕/将棋・竜王戦挑決第2局
【中継】永瀬王座VS伊藤六段 終局後インタビューと感想戦(生中継中)

 将棋藤井聡太竜王(名人、王位、叡王、棋王、王将、棋聖、21)への挑戦者決定三番勝負第2局が8月14日に行われ、伊藤匠六段(20)が永瀬拓矢王座(30)に146手で勝利した。この結果、三番勝負を2連勝した伊藤六段が自身初となるタイトル挑戦が決定。今期の竜王戦七番勝負は藤井竜王と伊藤六段による“同学年対決”で争われる。

【中継】永瀬王座VS伊藤六段 終局後インタビューと感想戦(生中継中)

 20歳の伊藤六段が、21歳同学年の藤井竜王への挑戦を決めた。伊藤六段は、今期5組優勝から本戦トーナメントに参戦。前期挑戦者の広瀬章人八段(36)ら強豪棋士を次々に破り、永瀬王座との挑戦者決定三番勝負に挑んだ。第1局で勝利した勢いそのままに第2局を迎えると、角換わりの出だしから後手番で右玉を志向。繊細な駆け引きを経て難解な中盤戦へと展開した。

 堅い囲いと方針の立てやすさから、わずかに永瀬王座がペースを握っていると見られていたが、白熱の終盤戦では千日手の順が現れる場面もあった。しかし、両者は攻めを模索。伊藤六段がそこから巻き返しを図り、寄せ合いとなった。一進一退の大熱戦で最後に抜け出したのは伊藤六段。白熱の最終盤を制し、大きな白星を手にした。

 この結果、伊藤六段にとって自身初となるタイトル挑戦が決定。終局後には「今日の将棋がかなり際どく、まだ実感は湧かないというところが正直なところです」と語った。2020年10月のプロ入りから2年10カ月で手にしたビッグタイトルへの挑戦権。5組優勝者が挑戦者となるのは史上初の快挙で、伊藤六段はこの勝利で七段への昇段も決めた。向かうは同学年ながら、現在の将棋界をけん引するスーパースター・藤井竜王だ。伊藤六段は、「大変強い方なのでなんとか番勝負を盛り上げられるように頑張りたい」とコメントしていた。

 藤井竜王にとっても初となる“同学年対決”を制するのはどちらか。第36期竜王戦七番勝負は10月6日に東京都渋谷区の「セルリアンタワー能楽堂」で開幕する。

<第36期竜王戦七番勝負スケジュール>

第1局 10月6・7日(金・土)東京都渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」
第2局 10月17・18日(火・水)京都市「仁和寺」
第3局 10月25・26日(水・木)福岡県北九州市「旧安川邸」
第4局 11月10・11日(金・土)北海道小樽市「銀鱗荘」
第5局 11月27・28日(月・火)香川県琴平町「ことひら温泉 琴参閣」
第6局 12月6・7日(水・木)秋田県大仙市「旧本郷家住宅」
第7局 12月13・14日(水・木)山梨県甲府市「常磐ホテル」

 ◆伊藤 匠(いとう・たくみ) 2002年10月10日、東京都世田谷区出身。2020年10月に17歳で四段昇段。2021年に新人王戦で優勝を飾り、将棋大賞の新人賞、勝率一位賞を獲得した。得意戦法は相掛かり。通算成績は107勝30敗、勝率は0.781。プロ野球・中日ドラゴンズのファン。

ABEMA/将棋チャンネルより)

【中継】第36期 竜王戦 挑戦者決定三番勝負 第2局 永瀬拓矢王座 対 伊藤匠六段
【中継】第36期 竜王戦 挑戦者決定三番勝負 第2局 永瀬拓矢王座 対 伊藤匠六段
将棋・8月14日週の主な対局 15・16日、藤井聡太王位防衛達成なるか 佐々木大地七段と王位戦七番勝負第4局で激突