大阪・天王寺で撮影された、Tシャツが破れるほどの激しい乱闘の動画が話題になっている。
争いのきっかけは「ポケモンカード」。最新版の発売日に、抽選のため約350人が行列していたところ、
「抽選を並び直して、ずるをしてたんです。着替えて別人を装って、並び直しみたいなことをしていて、2人組と『お前、横入りするな』ともめだして…」(動画撮影者)
最新版の発売前夜には、800人が並んでいたという人気ぶりとあって、ポケモンカードをめぐるトラブルが今年に入って相次いでいる。販売開始から27年、累計529億枚以上製造されている人気トレーディングカード(トレカ)だが、希少カードが高騰して、転売目的の買い占めが行われているのだ。
ほかにも、ポケモンカードを扱う駿河屋藤枝店では、自動ドアのガラスを破られ、カードを盗まれる事件が起きた。店長によると、200〜300枚で100万円以上の被害だったというが、いまだ犯人は捕まっていない。別の窃盗事件では、山梨県警が押収したカードを公開した際「輪ゴムで縛っている」として批判が殺到し、炎上した事案もあった。
トレカ専門家の後藤寛氏は、2023年1月に発売されたポケモンカードBOXのうち、「ミモザSAR」というカードが、当初から10万円で取引されていたと語る。本来プレミア価格がつくカードは、販売中のパックからは入手できない希少カードであることから「BOXに入っているカードとしては異例。今までは高くても数万円」と解説する。
「ポケモンの新作ゲームが出たことでかなり話題になって興味が上がったところに、イラストの人気が合わさって、10万円を超えた。ネットニュースやテレビでも放送され、ポケモンカードに流れた」(後藤氏)
カードの絵柄にもファンがつき、絵画のような普遍的な価値を持つようになった。そこへメディアで「価格高騰」と取り上げられたことで、国内外からの市場参入が起きたという。
東京・秋葉原のポケモンカード専門店「晴れる屋2」で扱うカードの最高額は1枚1億円。同店の渡辺翔店長は、1枚2000万円のカードが購入されたことがあると語る。
ポケモンカードを楽しむ人は、大きく「対戦派」と「コレクション派」にわけられ、うちトラブルの原因となるのは、ほとんどがコレクション派。晴れる屋2では、買って初めて絵柄がわかる「パック」は中学生以下に向けて販売するなどの対策を行っている。
経済評論家の佐藤治彦氏は海外での人気の理由を「メジャーリーガーのカードが高値で取引されるのが当たり前。世界的にも受け入れられやすかった」と説明。また、元週刊SPA!副編集長の田辺健二氏は、ここ5年ほどは同誌の「副業ランキング」の上位に「ポケモン投資」「トレカ投資」が入っていることを紹介。「わかる人がコレクション派として、どこかで安く仕入れて、50万円、100万円のせて転売する」そういった投資のスキームが成立していると解説した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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