将棋の永瀬拓矢王座(30)に藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、21)が挑戦する、第70期王座戦五番勝負が神奈川県秦野市の「元湯陣屋」で開幕した。5連覇達成で永世将棋の「名誉王座」獲得を目指す永瀬王座に対するのは、「八冠制覇」を狙う七冠王の藤井竜王・名人。どちらにとっても歴史的偉業達成となる本シリーズの開幕局を制するのはどちらか。振り駒の結果、先手は藤井竜王・名人に決まった。
【中継】永瀬王座VS藤井竜王・名人 注目の開幕戦(生中継中)
永瀬王座は2009年10月に四段昇段。竜王戦1組(1組:6期)、順位戦A級(A級:3期)。タイトルは連覇中の王座4期と、叡王1期の計5期。圧倒的な研究量とストイックな姿勢から時に「軍曹」との異名で呼ばれることもある。王座戦は2019年に初挑戦。斎藤慎太郎王座(当時)に3勝0敗のストレート勝利しタイトルを奪取した。以降、久保利明九段、木村一基九段、豊島将之九段の挑戦を退け、現在4連覇中。世代、棋風を超え最強の挑戦者たちを次々に打ち破ってきた。今期は自身初となる永世位の「名誉王座」獲得が掛かるシリーズに。名誉王座は王座を連続5期、もしくは通算10期以上保持した棋士に与えらるもので、過去の達成者は中原誠十六世名人と羽生善治九段の2人のみ。永瀬王座が達成した場合、史上3人目の偉業となる。
藤井竜王・名人は、2016年10月に四段昇段。第35期竜王(1組以上:2期)、第81期名人(A級以上:2期)。今春、初挑戦した名人戦七番勝負に勝利し、最年少名人と史上2人目の七冠保持者に。叡王戦五番勝負、ヒューリック杯棋聖戦五番勝負、伊藤園お~いお茶杯王位戦七番勝負でも防衛を飾り、タイトル戦敗退無しのまま獲得数を17に伸ばした。今期の王座戦は、挑戦者決定トーナメントで中川大輔八段、村田顕弘六段、羽生善治九段、豊島将之九段を破り初の挑戦権を獲得した。過去、“全冠制覇”は1996年に羽生九段が七冠制覇を達成しているが、新タイトルが設立されたことにより、現在のタイトル数は8に。保持する7つのタイトルを引っ提げ、“最後の砦”となっている王座奪取と史上初の「八冠制覇」を狙う。
藤井竜王・名人のデビュー以来の研究パートナーでもある両者。公式戦は永瀬王座の5勝、藤井竜王・名人の11勝となっている。 タイトル戦では2022年の棋聖戦五番勝負で対戦経験があり、藤井竜王・名人がが3勝1敗で防衛を飾った。互いを知り尽くす仲とあり、戦型選択もちろんどこでどんな秘策が繰り出されるか、一瞬たりとも目が離せない。
本局の舞台は数々の名局が生まれた“将棋の聖地”で、棋史に残る事件の一つ“陣屋事件”の舞台となった地でもある「元湯陣屋」。持ち時間は各5時間。振り駒の結果、先手は藤井竜王・名人に決まった。ABEMAではこの対局を終了まで生放送する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)