将棋の永瀬拓矢王座(30)に藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、21)が挑戦する第70期王座戦五番勝負が8月31日、神奈川県秦野市の「元湯陣屋」で開幕した。今シリーズは、5連覇達成で永世将棋の「名誉王座」獲得を目指す永瀬王座と「八冠制覇」を狙う七冠王の藤井竜王・名人が激突。対局開始に立ち会った日本将棋連盟の羽生善治会長(52)がABEMAの中継に出演し、「最先端の将棋が見られるのでは」と期待を寄せていた。
史上3人目の名誉王座誕生か、前人未踏の八冠制覇か、大注目の中での五番勝負が始まった。羽生会長は、前日から自身も対局経験のある対局宿の「元湯陣屋」へ参集。関係者のみで行われた食事会に参加し、「永瀬さんはちょっと緊張しているかな?という印象で、このシリーズに懸ける意気込みのようなものを側にいても感じました。藤井さんはいつも通り、歩普段通り過ごしていたと思います」と対局者の様子を伝えた。
王座24期の「名誉王座」資格保持者で、過去ただ一人の「全七冠制覇」経験者でもある羽生九段は、両者の戦いについて「どちらが勝っても大きな記録を達成される。現在の最先端の将棋が見られるのでは」とコメント。温かなまなざしで頂上決戦の開幕を見守っていた。
中継では、1996年2月の七冠達成時の思い出について問われる場面も。しかし、「いえ、もうあまりにも昔のことなので、もうあまり正しくは覚えていないです(笑)」と笑顔で振り返っていた。
羽生会長をもってしても経験したことのない前人未踏の八冠制覇に向けた戦いが始まった藤井竜王・名人に対しては、「1年間ずっと勝ち続けないといけないですし、常に一線級の相手と対戦し続けるということで簡単に出来ることではない。でも藤井さんを見ていると、自然に指して自然に今の状態に来ているという、そういうギャップを傍目で見ていても感じます」と驚きを隠せない様子だった。
(ABEMA/将棋チャンネルより)