日本人プレーヤー・吉田正尚が所属するボストン・レッドソックスの本拠地・フェンウェイパークは、1912年オープンと、現存する球場の中では、メジャーで最も古い施設として知られている。
そんな同球場の名物といえば、やはりレフト側に設けられた巨大なフェンス“グリーンモンスター”。そんな“グリーンモンスター”について、元・MLBプレーヤーの川﨑宗則氏が言及した。
9月3日放送の『ABEMAスポーツタイム』(ABEMA)では、フェンウェイパークの名物として知られる“グリーンモンスター”について改めて紹介することとなったが、その際、改めてその“巨大さ”を体感しようと、スタジオでCGを使った再現が行われることに。
すると、再現された“グリーンモンスター”の前に立った番組スペシャルサポーターの影山優佳は、ちょっとしたビルの高さほどはあろうかという、この巨大な壁に、「…やりすぎじゃないですか?」と、大変驚いた様子を見せることに。実際にMLBでのプレー経験がある川﨑氏が「日本にもないし、アメリカにもこの球場だけです。」とコメントしたことからもわかるように、高さ11.3メールもあるこの巨大な壁は、世界的に見ても極めて稀有な設備となっているのだという。
なお、球場の一部を改築する形で、1947年に登場したというこの“グリーンモンスター”について川﨑氏は、「狭かったんですよ、この球場は。球場が狭いんで、ホームランがいっぱい出る。なので、広くするの“あ、めんどくせ”と。(フェンスを)デカくしろと。なのであのフェンスにどんどん当たりますよ。」と、球場自体が狭く、ホームランが出やすいために、こうした状況を防ぐ目的で建設されたという経緯について説明。
実際、両翼100メートルを超える球場が中心となっている中で、もともとが限られた土地に建てられたという経緯から、左翼までの距離も310フィート(約94.5メートル)とかなり短いため、そのままの状態だと、他球場では外野フライになる打球も、この球場では本塁打になる可能性が高くなってしまうという。しかもスタジアム自体を拡張しようにも、レフト側にはすぐそばに道路と建物があるため、結果としてこのような巨大な壁を作るという、前代未聞の発想にならざるを得ないのだそうである。
ちなみにそんな同球場は、“グリーンモンスター”が設置されたレフト側の距離が短いだけでなく、フェンスまでの距離が302フィート(約92.0メートル)から420フィート(約128.0メートル)までとまちまちであるため、グラウンド自体がかなり変則的な形状となっている。短いレフトまでの距離とは裏腹に、センター右にの部分は、なぜかスタンド側へと三角に抉れたように深くなる“ザ・トライアングル”と呼ばれる場所があるほか、ライト線はなぜかレフトスタンドよりもさらに短い302フィート(約92.0メートル)となっている。しかも、かつては“ダッフィーズ・クリフ”と呼ばれる、およそ高さ3メートルほど「土手」が、なぜかレフトのポール際からセンター方向へと存在していた時期もあったのだという。このように、なにかにつけてクセがスゴすぎる感のある同球場、やはりこの球場を使いこなすのは、なかなか難易度が高そうだ。
(ABEMAスポーツタイム)