赤ちゃんへのキスは我慢しなくてOK? 虫歯予防の“定説”覆す研究結果「むしろアレルギー予防に効果あり」
【映像】子どもと親の“唾液接触”で判明した意外な効果
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「抱きしめてキスしたいけど我慢してる」「スプーンなどの使い回しも“アウト”らしい…」

 生まれたばかりの赤ちゃんには虫歯菌は存在せず「親から感染する」という説。定説になりつつあるなか、これを覆す研究結果が2011年に発表されていた。

【映像】子どもと親の“唾液接触”で判明した意外な効果

「私の研究に基づく認識では、食器の共用や口移しのような食べさせ方で“病原菌になるもの”はうつるが、必ずしも“虫歯がうつる”というのは表現として正しくない」(歯科医師・若栗真太郎氏)

 若栗医師によると、食器の共用や口移しが子どもの虫歯に影響しているかを分析した結果、“垂直感染”(親から子への感染)を予防する行動と虫歯の経験に有意な関連はなかったことが示唆されたという。

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「垂直感染を予防する行動のほかにも『歯磨き』『歯磨き剤を使う』『砂糖をあげる頻度』『甘いお菓子の開始時期』も一緒に調査した。すると、垂直感染予防の行動をされている方は、歯磨きをしていたり(砂糖の)接種頻度を控えていたり(砂糖を)上げる時期が遅かったりと、他の行動が良い結果につながって虫歯予防効果が出ていたと考えられる」

 こうした調査結果から若栗医師は、食器の共用を過剰に避ける必要はないと話す。さらに、日本口腔衛生学会も食器の共用に関する声明を8月31日に発表。

「日々の親子のスキンシップで子どもは親の唾液に接触しており、最新の研究では離乳食を始める前の生後4カ月で、すでに母親の口内細菌が子どもにうつっていることが確認されている」

 また、数百種以上の細菌が存在する口腔内において「ミュータンスレンサ球菌だけが虫歯の原因ではない」と結論付けているという。そして、アレルギー予防の観点から親子のスキンシップに関する研究をしている和歌山県立医科大学の久保良美氏は「唾液接触が、小中学生のアレルギー疾患の発症率の低下と優位に関連することが判明した」と話す。

 久保氏の研究チームは、6~15歳の小中学生とその親を対象とした大規模な疫学調査を実施。乳児期の食器の共有やおしゃぶりを介した唾液接触と、アトピー性皮膚炎や喘息などの発症リスクとの関連を分析した。すると、子どもと親の唾液接触がアレルギーの発症リスクの低下に関連していることがわかったという。

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「親や祖父母にしても、口腔環境を整えておくことは大切だ。歯周病菌など様々な菌が口腔内にはあるので、妊娠期から口腔ケアをされて安心して赤ちゃんとスキンシップができることが大事ではないかと思う」

 食器の共有がアレルギー予防にもつながる。このニュースについては『ABEMAヒルズ』に出演したノンフィクションライター・石戸諭氏も驚きを見せた。

「赤ちゃんの健康を守るための行動が、成長した後にも続くと判明したのは驚き。こうした知見はどんどんアップデートしてほしい。親の唾液で洗浄が意外な予防効果もあるということも含めて!赤ちゃんへのキスを我慢している親世代、祖父母世代がいたら教えてあげたい防効果もあるということで、赤ちゃんへのキスを我慢している人がいたら教えてあげたい」

(『ABEMAヒルズ』より)

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