将棋の藤井聡太JT杯覇者(竜王、名人、王位、叡王、棋王、王将、棋聖、21)が9月9日、日本シリーズJTプロ公式戦の2回戦第2局で菅井竜也八段(31)との対局を開始した。本局の舞台は熊本県益城町の「グランメッセ熊本」。前回大会で初優勝を飾った藤井JT杯覇者と、地元・岡山県で行われた1回戦を勝ち上がってきた菅井八段がどのような戦いを見せるか。振り駒の結果、先手は菅井八段に決まった。
藤井JT杯覇者は、2016年10月に四段昇段。第35期竜王(1組以上:2期)、第81期名人(A級以上:2期)。今春、初挑戦した名人戦七番勝負に勝利し、最年少名人と史上2人目の七冠保持者に。菅井八段の挑戦を受けた叡王戦五番勝負のほか、ヒューリック杯棋聖戦五番勝負、伊藤園お~いお茶杯王位戦七番勝負でも防衛を飾り、タイトル戦敗退無しのまま獲得数を17に伸ばした。現在は前人未踏の“八冠制覇”を目指し王座戦五番勝負に挑戦中だ。JT杯覇者として臨む今期初戦を白星で飾り、連覇に向けて好発進を遂げたい。
菅井八段は、2010年4月に四段昇段。竜王戦2組、順位戦A級(A級:3期)。振り飛車党の絶対的エース棋士として知られ、2017年度の第58期王位戦で初戴冠。平成生まれ初のタイトルホルダーとなった。棋戦優勝は通算4回。JT杯は2年連続5回目の出場で、最高成績は2018年度の準優勝となっている。今年度は叡王戦五番勝負で藤井JT杯覇者に挑戦し1勝3敗で敗退となったが、振り飛車の可能性を追求し続ける棋界屈指の研究家としての存在感を示した。今期のJT杯は地元・岡山県で行われた1回戦で斎藤慎太郎八段(30)に勝利。叡王戦敗退以来、無敗の9連勝中の勢いそのままに藤井JT杯覇者へのリベンジに燃えている。
両者の公式戦対戦成績は、藤井JT杯覇者の8勝4敗。今春に行われた叡王戦五番勝負では2度の千日手を含む全5局で三間飛車を採用した菅井八段だったが、本局ではどんな作戦を用意しているかにも注目したい。
JTプロ公式戦は前年覇者、タイトルホルダー、賞金ランキング上位者から12人が選出されるトップ棋士たちによるトーナメント戦。前年大会は藤井JT杯が最年少の20歳4カ月で優勝。2011年、小学3年当時に同こども大会優勝も飾った思い出の大会で、史上初プロ公式戦との“ダブル優勝”の快挙を達成した。持ち時間は各10分、切れたら1手30秒未満、各5分の考慮時間。ABEMAではこの対局を終了まで生放送する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)