藤井聡太竜王・名人がシリーズ初勝利「八冠制覇」へ前進 永瀬拓矢王座を破りシリーズ成績1勝1敗に/将棋・王座戦五番勝負第2局
【映像】白熱の最終盤 手に汗握る一分将棋の模様

 将棋永瀬拓矢王座(31)に藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、21)が挑戦する第70期王座戦五番勝負が9月12日、神戸市の「ホテルオークラ神戸」で第2局の対局が行われ、王座奪取と八冠制覇を狙う藤井竜王・名人が勝利しシリーズ初白星を飾った。この結果、成績はともに1勝1敗のタイに。次戦では、永世位の名誉王座獲得を目指す永瀬王座と“タイトル王手”をかけて戦う。注目の第3局は9月27日、愛知県名古屋市の「名古屋マリオットアソシアホテル」で指される。

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 史上3人目の名誉王座獲得か、前人未踏の全八冠制覇か。将棋界を飛び出し社会的な注目を集めるシリーズは、開幕局で永瀬王座が先勝。先手番の藤井竜王・名人から白星をもぎ取り好発進を遂げた。藤井竜王・名人にとって絶対に負けられない第2局は、角換わりの出だしから「右玉」を志向し、意表の作戦選択を見せた。

 序盤から積極的に仕掛けていった藤井竜王・名人だが、デビュー以来の研究パートナーでもある永瀬王座に幾度となく読みを外され持ち時間を消費。繊細な駆け引きからねじり合いへと展開した。接戦のまま夜戦に突入すると、互いの持ち時間は切迫していく。藤井竜王・名人は玉の早逃げを決断して目標地点を外れたが、永瀬王座は動じずに長期戦を見据えてじっくりと対応。激しい局面に飛び込み、攻め合いとなった。

 藤井竜王・名人を十分に藤井竜王・名人を引き寄せた後、一気に攻めかかった永瀬王座が抜け出したかと思われたが、秒読みに追われる中でやや焦りが出たか形勢が逆転。難解な終盤戦では形勢が激しく揺れ動き、藤井竜王・名人は入玉を視野に上部を切り開いていった。しかし、永瀬王座は後手玉のルートを遮る術が無い。藤井竜王・名人が寄せにいったところ、永瀬王座が根性の粘りで上部を開拓。相入玉を目指したが、持将棋の点数計算において先手の点数が足りない。長い長い最後終盤で藤井竜王・名人が振り切り、214手の大熱戦の末に待望の勝利を手にした。

 終局後、藤井竜王・名人は「序盤を右玉にしてみましたが、形をまとめるのに苦労したところが多かった。端を攻められた手順が思っていた以上に厳しく、夕食休憩の辺りでははっきり苦しくしてしまったと思っていた。その後粘って難しくなったと思ったが、その後もまた苦しくなった局面もあり、全体を通して苦しい局面の方が多かったのかなと感じています」とコメント。次戦に向けて「改めて三番勝負という形になるので、気持ちを切り替えて第3局に臨みたいと思います」と語り、気を引き締めていた。

 この結果、挑戦者の藤井竜王・名人がシリーズ初勝利を遂げ、通算成績は1勝1敗に。永瀬王座に追いつき、目指す王座奪取と全冠制覇に向けて大きな前進を遂げた。第3局で連勝を飾り大偉業に“王手”をかけるか、タイトル防衛に燃える永瀬王座が星を取り返すか。見逃せない第3局は、9月27日に愛知県名古屋市の「名古屋マリオットアソシアホテル」で予定されている。

ABEMA/将棋チャンネルより)

【中継】第71期 王座戦 五番勝負 第2局 永瀬拓矢王座 対 藤井聡太竜王・名人
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