「党は基盤。踏み台ではない」自民党は国民の声を聞きすぎた? “立憲を叩き直す”直諫の会、若手議員らの野望
【映像】自民・公明と“対決”、維新・国民とは“批判” 立憲と各党の関係図
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 13日、改造内閣に注目が集まる中、ある書籍が発行され、話題を集めている。『どうする、野党!?』(幻冬舎)だ。著者は「直諫の会」で、帯には15人の国会議員の姿が並んでいる。

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 立憲民主党内の会派で4年前に設立された「直諫の会」。直諫とは上の立場に対し「まっすぐ物申す」という意味だ。

「我々は、立憲民主党という党を根本から叩き直して、自民党と対峙し、自民党にとって代われるような政権政党となっていくことを目指していく。そこに向けた、第一歩として立憲民主党の代表を直諫の会から出す」(会長・重徳和彦衆議院議員)

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 立憲民主党をどのように叩き直すのか。ニュース番組「ABEMA Prime」に出演した、タレントの益若つばさは「政治が詳しくない」とした上で「自民党と立憲民主党、何がそれほど違うのか。意見が合わなくなってくると、どんどん党が枝分かれしてしまうイメージもある。何が今の立憲民主党に足りないのか」と投げかける。

 これに対し「直諫の会」の幹事長・青柳陽一郎衆議院議員は「そもそも自民党とは立ち位置が違う」と答える。

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「立憲民主党は、国民目線で政治をしっかりやっていく政党だ。生活者の視点に立ち、働く者の立場に立った政策を実現していく。枝分かれについては、私も同感だ。枝分かれした状態をしっかりまとめる核になっていきたい。2017年、民進党という政党が複数に分かれてしまったが、2020年の再結集の原動力になったのが、我々のグループだ。理念を実現するために大きくまとまる。それが我々のグループだと理解してほしい」

 会長の重徳和彦衆議院議員は「政府与党の批判は絶対にやらないといけない」と話す。

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「立憲民主党は『批判ばかりしている』と言われる。これは半分その通りだ。『政府与党がやっている政策は全部いいよ』と言う役じゃない。修正は絶対に求めなくてはならない。一方で、国民の皆さんが『今の与党は駄目だから批判している野党側に政権を託した』と思ってくれるかというと、ちょっと違う。野党の仕事は、与党になることだ。『今の自民党とは違った政策でこういう社会や制度を作っていく』ときちんと言っていかないと、文句を言っているだけに見えてしまう。立憲民主党は野党第一党で野党の中で一番大きいが、支持率はすでに日本維新の会を下回っている危機的な状況だ。立憲民主党そのものを根本から叩き直して、変わらなくてはいけない」

 同会は、立憲民主党の若手・中堅議員ら18人で構成されている。ギャルタレントのあおちゃんぺが「新しい党を作るというのは視野にはないのか。なぜ、立憲民主党にこだわるのか」と質問すると、重徳氏は「4年前、小池百合子都知事が『希望の党』を作って、野党がこっぱみじんになった。内閣のてっぺんを取るためには、相当な結束力がなくてはいけない。そのための派閥だと思う。そのためには当然、政策である程度の一致が必要になる」とコメント。

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「過去、青柳さんも十数人の小さい政党にいて、私も5人だけの政党、あるいは無所属の時もあった。選挙をやるときは、逆に無所属のほうがはっきりとものが言えるし、それが一番選挙に強い。票も伸びる。ところが、仲間を増やしていかないと、いつまでたっても今の自民党のようなサイズにはなれない。ずっと野党のままでは、政策が実現できない。立憲民主党に所属しながら、軸を作り直していくことが一番大事だ」

 あおちゃんぺが「踏み台か」と聞くと、青柳氏は「踏み台ではない。基盤だ」と回答。「政党には国会議員だけではなく、地域の県会議員や市議会議員、市長や知事もいる。国会議員だけで『新党を作る』と言っても、なかなか政策の実現に繋がっていかない」と述べる。

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 同会が掲げる政策を見ると「増子化社会」「日本版家庭医制度」「国立農業商社」など、独自の言葉が並んでいる。中でも増子化社会について、徳重氏は「誰もが子どもを産み、育てたいと当たり前に思えるような温かい地域社会を作りたい。ポジティブな言葉の略称で“増子化”と言っている」と話す。その上で「歴代の少子化担当大臣は、確かに有能な方なのだろう。だけど、みんな初入閣で、政治力については強いとは言い難いような方々だ。副総理級の専任の大臣をおかなくてはいけないのに、それがいつまで経ってもできていない」と苦言を呈した。

 近畿大学情報学研究所所長の夏野剛氏は「戦後の日本、特にこの25年くらいの政治は、国民の声を聞きすぎている」と指摘する。

「日本が改革に遅れたのは、間違いない事実だ。当たり前だが、国会議員は国民の民意をすごく気にする。国民の声といっても、高齢者が増えていくと、どうしても保守的な考え方になる。日本は雇用を守りすぎた。アメリカでは、GoogleなどのIT会社がバーンと時価総額を膨らませて、成長している。日本は、あまり働いていなくてもクビにならない幸せな社会だが、その代わり全然経済が発展せず、ずっと企業の新陳代謝が起こらない」

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 青柳氏は「自民党はいろいろな業界団体の票をまとめて成り立っている」と話す。

「『あの団体にいい政策だから』『ここには儲かる政策だから』とやってきた。10年以上、自民党による一強多弱状態が続いている。これが、日本経済が停滞した原因だと思う。本来、衆議院の小選挙区制度は二大政党に収斂する制度のはずだが、全くそうなっていない。緊張感ある政治状況を作らなきゃいけないのに、むしろ自民党のこの緩んだ政治を産んだ」

 議論の最後、益若は「とてもすばらしいお話だと思った」とコメント。その上で「ただ、聞き終わって、きっとお家に帰ったら何となくふわっと忘れてしまいそうな政策だ」と感想を述べた。(「ABEMA Prime」より)

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