“高卒需要”が過去最高に、学歴社会ニッポンでのメリット・デメリットとは ひろゆき氏「高卒の成功者はレアケース。能力がない人は大学に行ったほうがいい」
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 16日から始まった、来年卒業する高校生の就職採用試験。その求人倍率は過去最高の3.52倍と、今「高卒人材」が注目されている。新型コロナの5類移行による経済活動の活発化、さらに深刻な人手不足、少子化などを見越し、企業が若手人材の確保に走ったことなどが背景にあると見られている。

【映像】高卒と大卒の生涯年収の差

 とはいえ、大卒のほうが生涯年収は多く、昇進や転職なども有利になっているのが現状だ。まだまだ学歴評価が重要視される日本で、高卒就職のメリット・デメリットとは。15日の『ABEMA Prime』で議論した。

■“高卒需要”が過去最高に、背景は

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 求人倍率が過去最高となっている背景について、情報誌『高卒進路』編集長の澤田晃宏氏は次のように説明する。

「これだけ見ると高校生への期待が高くなっているように見えるが、単純に高校生の数が減り、就職者の数自体が少なくなっていることが大きい。1992年に3倍を超えた時は、就職する高校生が50万人いて就職率が33.1%あったが、去年は就職する高校生が約13万3000人で就職率が18%。この間減った高卒就職者36万人は、外国人が補完している。令和4年末で技能実習生が32万人、特定技能外国人が13万人、併せて55万人いる。高校生への期待が高い業種は、卸売業や小売業。いわゆる外国人が入ってこれない業界で、ガソリンスタンドや紳士服の販売店といったところが求人数を増やしている」

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 高卒就職の特徴として、就職活動は学校を通して行う“学校あっせん型”であることや、多くの都道府県で「1人1社制度」を導入し一定期間までは複数社への応募ができない、求人情報は学校・生徒しか見られないなどがある。

 澤田氏は「偏差値45以下の高校とかになってくると、受験して大学や専門学校に行く人はまずいない。学校推薦という形で、職場見学や採用窓口への応募、企業への電話も先生が手取り足取りやってくれ、99.9%正社員として就職できる。これはとても大きな魅力だ」と説明。

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 また、「高卒と大卒で生涯賃金の違いがよく言われるが、今の日本社会で一番大きいのは正規雇用か非正規雇用かという点だ。これだけ高校生の就職倍率が上がっている中で、入社祝い金を50万円出して、2年間社員寮の家賃を無料にする『どうとんぼり神座』というラーメン屋や、中小型免許代を出す物流会社がある。賃金をいきなり大卒に合わせることはできないが、その分高卒の待遇を良くして必死に採ろうとしている企業も増えている。今の若者たちも、昔みたいに“高卒で残業していくらでも働きたい”というところからだいぶ変わってきた。ワークライフバランスや勤務時間が大切だということで、週休3日を謳う会社とかも出てきているのが最近の流れだ」と続けた。

■成田修造「『大学行ったほうがいい』は幻想」

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 高校卒業後にアパレル販売員などを経て、高卒者やフリーターなどの就職を支援する「逆転キャリア」を起業した飯田久美子氏は、高卒と大卒の就職後の違いについて「高卒で大手企業に入っても、“仕事ができるできないに関係なく、高卒の君の出世・昇給はここまでだ”と決められてしまう環境はもったいない。うまく歩んできた人はその隙間というか、学歴・職歴に関係なく評価してもらえるような、実力で勝負できるベンチャーやスタートアップに飛び込んで結果を出せた人が多いように感じる」と話す。

 起業家・投資家の成田修造氏は「『大学行ったほうがいい』は幻想」だと指摘。「大学の数がめちゃくちゃ多くて、“みんな入ったほうがいい”という神話を持っているし、企業も大卒を優先して採る。この構造自体がおかしいのではないか。僕自身、大学へはほとんど行かずに、1年生の頃からベンチャー企業で働いていた。それで成果を出せていたし、大学を卒業した人がすごいわけでもない実感もある。大学でやりたくもない勉強をだらだらするのに400万円、中には学資ローンで払わなくてはいけない人がいるわけだ。そんなことをするぐらいなら、高校生にオープンな大企業が増えて、給料を得て税金も払って、国のGDPに貢献できるような構造に見直してもいいのではないか。勉強をしたいなら大学に行っていいと思うが、大学全入は不毛な議論だ」と主張する。

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 ひろゆき氏は「高卒の成功者はレアケース。優秀な人と、何にもない人の差を理解した上で、能力がない人は大学に行ったほうがいいと思っている。高卒の人は“勉強が嫌いだから”という理由が多いが、飯田さんは大学院で経営学の修士を取っている。結局、勉強ができる人が大学に行かなかっただけだ。そういう人が高卒の中にもいるという話とは別に、採用で300人から書類が来た時、全員面接して人格を見るのは無理。書類選考をする上で、大卒というふるい分けがあったほうが便利に回るということだ。ただ、勉強しないで入れるような大学に金だけ払って何もしてこなかった人が“大卒”という下駄を履いてるのはまずいので、そういう人は高卒と同じ扱いでいいと思う」と持論を展開した。

 では、大学に行くべきか? 飯田氏は「あまりそう思っていない」といい、「選択肢は狭まると思うが、高校の現場にも入って就職支援をしている中で、“大卒じゃないとまずいでしょう”というなんとなくの理由で、奨学金という借金まで背負って4年間何しに行くんだろう?それに価値があるのかな?というのはすごく思う。大卒の方にちょっと思うのは、辞める時に潔くないというか。高卒で、生きるために働いている、生活のために働いている経験をしている人はものすごく意思が強いし、ほんのちょっとのことでは辞めない。そういう人に私は期待したい」とした。(『ABEMA Prime』より)

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