丸藤正道を「ヒーロー」と公言するウィル・オスプレイが見せた写し鏡のような丸藤ムーブの数々。ノア・マットを意識した、普段は見せない技の連発に「リスペクトがすぎる」「完全に丸藤の動きを知っている」と視聴者が大興奮した。
9月17日、後楽園ホールで開催されたプロレスリング・ノア「真・飛翔 〜丸藤正道デビュー25周年記念大会〜」で、丸藤正道とウィル・オスプレイが対戦。23分の激闘の末、オスプレイが、ストームブレイカーから肩エビ固めでカウント3を奪い丸藤に勝利した。オスプレイが魅せた丸藤とノアへのリスペクト溢れる戦いぶりにファンの間から感動と絶賛のコメントが相次いだ。
「最初に観た試合はノアの丸藤とKENTAの試合」「俺の技の70%に影響がある。インスパイアされまくってる」オスプレイは自身のスタイルに丸藤のプロレスが大きな影響を与えていると公言。新日本と米AEWの合同興行後の会見で「リスペクトしてる存在がいる。ナオミチ・マルフジ。子どもの頃からのアイドル。彼と一緒に何かをできたら」とリクエスト、ノアが応え夢のシングルが実現した。
リングシューズにはNOAHの4文字、オスプレイの丸藤とノアへの強いリスペクトが感じられる試合だった。
開始から互いが「丸藤ムーブ」のフックキック。これは空を切るが、写し鏡のようなドロップキックが交差。丸藤の細かく削るステップキックから逆水平と無骨なノア・スタイルに呼応するようにオスプレイもステップキックから渾身の逆水平。
一つひとつ丸藤の動きを“完コピ”しつつ、さらに威力を増すエグい攻撃に「(オスプレイ)少年のような笑顔」「楽しそう」「完全に丸藤の動きを知っている」とファンも大興奮。
丸藤はロープにくくりつけられながらトップロープからのバーニング・スタープレスや、シャットダウン式のパワーボムなど大技を受け、オスプレイにペースを握られながらも、コーナーでのフックキックから不知火、さらにオスプレイに先行された十八番のフロムコーナートゥコーナーを返すなど、渾身の攻撃を畳み掛ける。
中盤は“ノア流”の攻防。両者がガッチリ手を組みながらゴツゴツと逆水平を打ち合う姿に「ノアのスタイルにアジャストしている」「ノアへのリスペクトが半端ない」「普段の新日本では見せないバチバチだな」といった驚嘆の声が上がる。
さらに驚きは続き、オスプレイのフックキックからタイガードライバー、不敵な笑みを浮かべてローリング・エルボーのムーブ。これには「三沢のエルボーだ」「オスプレイ、ノア好き過ぎじゃん」「リスペクトが過ぎる」と視聴者が騒然となった。
一方、丸藤も25年のヒストリーを辿るかのように持ち札を全て出し切る。不知火・改、そしてタイガー・フロウジョンは2010年にIWGPJr.ヘビーを奪取したときのフィニッシュムーブだ。
最後はオスプレイがヒドゥンブレードからのストームブレイカーで勝利を収めたが、マイクでは日本語で「今日世界で一番プロレス誰ですか?」と問いかけ「一番プロレス、丸藤さん」と自身のヒーローを称えると、丸藤は英語で感謝をコメント。
視聴者からは「こんなの泣くわ」「ありがとうオスプレイ」「今日は丸藤が一番」「めっちゃ丸藤が好きなんだろうな」の声。会場からも拍手が鳴り止まなかった。
試合後のインタビューで丸藤はオスプレイを「現代プロレスの完成形」と絶賛。オスプレイは「16歳からヒーローの丸藤選手と試合できて夢がかなった。日本のプロレスこそが最高のプロレス」と達成感を感じさせる笑顔を見せた。