将棋の永瀬拓矢王座(31)に藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、21)が挑戦する第71期王座戦五番勝負が9月27日、名古屋市の「名古屋マリオットアソシアホテル」で第3局の対局を行っている。ABEMAの中継には、挑戦者決定トーナメント2回戦で藤井竜王・名人と激闘を繰り広げた村田顕弘六段(37)が出演。対戦を振り返り、「局面が夢に出てくることもある」と語った。
今期の挑戦者決定トーナメントでは、2回戦で藤井竜王・名人との対戦が実現。村田六段は2007年のプロ入り以来タイトル挑戦経験はないが、大注目の中で行われたこの対局に全力を投じた。相手が居飛車でも振り飛車でも、すべての序盤をほとんど同じ駒組みで積極的にペースを掴みに行くことができる「村田システム」に改良を加えた「シン・村田システム」をぶつけ、若き絶対王者を圧倒。藤井竜王・名人を追い詰めて勝利は目前にまで迫っていた。
しかし、最終盤で藤井竜王・名人が繰り出した驚がくの勝負手で逆転。あと一歩まで近づいていた七冠王撃破、自身初の準決勝進出の道は、あまりにも鮮やかな詰み筋によって絶たれる結果となった。
本局の中継では、第3局の現地で立会人を務める谷川浩司十七世名人(61)から「村田さんは、世が世なら対局者になっていたかもしれないですね。ぜひこの経験を次に繋げてください」と労いの声を掛けられる場面もあり、村田六段は「良い思い出になりました」と照れくさそうな笑顔を見せていた。
しかし、「今も局面が夢に出てくる」と心境を吐露する場面も。「Youtubeなどを見ていると、“あなたへのおすすめ”として村田ー藤井戦が出てくることがあるんですけど、『あまりおすすめされてもなあ~』と思ったり(笑)」と笑わせたが、「銀を上がられた手と金で迫られた手は、何もない時にでもふと出てきたりしますね」と今でも盤上の景色がよぎるようだ。
多くのファンの心を震わせた村田六段の将棋。視聴者からも「アッキーかっこよかった!」「惜しかったよな」「可能性はあった」「シン村田システムが輝いた日」「ほんとにおもしろかった」「あの対局は印象残るからね」とたくさんの反響が寄せられていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)