全国各地に出没しているニホンザルだが、沖縄県・長崎県・茨城県・北海道では生息していないとされている。本州で唯一の「サルなし県」と言われる茨城県は西に鬼怒川、南は利根川、東は海に囲まれた地形も影響していると考えられている。
石巻専修大学 辻大和准教授は「サルは群れで生きている動物で、群れは決まったエリアで固まっている。茨城に行こうとすると大きな川を渡らなければならない。群れ全員が大きな川を渡るのはリスクが高い」と解説するがその茨城県でここ数年、サルの目撃情報が相次いでいる。
「22年間くらい茨城にいるが一度も見たことなかった。(だがこの前)3メートルくらいまで近づいて、こっちにジャンプしようとしたので逃げた」(茨城県に住む男性)
昨年度、茨城県内のサルの目撃件数は過去最多の153件。今年4月以降ではすでに107件のサルが目撃されている。サルは一体どのようにして、茨城県に入ったのか?
「おそらく、群れではなくて群れから出た単独の行動をしているオスだと思われる。単独のオスが例えば川を横切っている橋を歩いて渡る可能性はある」(辻准教授)
また、川を泳いで渡る可能性もゼロではないという。オスのサルは成熟期の5歳から6歳になると生まれ育った群れを離れる性質があるが、新しい群れを見つけられずに単独で移動を続けることも多いという。
こうした「はなれザル」が、隣の栃木県などから茨城県に迷い込んだと考えられている。普段出没しないエリアでサルに遭遇した場合には、特に注意が必要だと専門家は指摘する。
「なるべく目を見ないほうがいい。(珍しがって)目をジーっと見つめてしまうとサルは脅してるととるので下手したら跳びかかってきて危険だ。野生の個体であるため寄生虫とか病原体を持っている。それによる感染症などが危険」(辻准教授)
茨城県は野生のサルを目撃した場合、けっして近づかず警察に連絡するよう、注意を呼びかけている。
(『ABEMAヒルズ』より)
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