地下格闘技の出身者同士の一戦は、試合前からの舌戦の流れを受けた凄惨な制裁マッチで1ラウンド衝撃KO決着。激しい展開に「これは喧嘩」「えぐい」など絶句するファンが相次いだ。
9月29日に後楽園ホールで開催された「Krush.153」。海斗(LEGEND)と大輝(ハリケーンジム/チーム男鹿キック)の試合は、試合前の激しい舌戦を受けてケンカマッチに発展。「ボコボコにしてやる」という言葉どおり海斗がパンチの連打で1ラウンド3ダウンを奪い「元“地下格”対決」を制した。
地下格闘技出身者という共通のバックボーンがある両者。しかしKrush/K-1で長年実績を積んできた海斗に対するは、地下格の荒々しい空気そのままに、第6代Bigbangウェルター級王者。さらにAJKNウェルター級王者など2つのベルトを巻いた経験を持つ初参戦の大輝。
「俺は格闘センスの塊」「Krushのベルトさくっと獲っちゃおうかな」と豪語するなど、高校野球の名門校出身でスポーツエリートの大輝は怖いもの知らず。海斗との一戦に「イージーな相手」と軽口を叩くと、海斗も「1ラウンドで倒してやる、わからせてやる」と不穏な空気が流れていた。
試合前のフェイスオフから額を突き合わせ、殺気立つ両者。1ラウンド開始時こそスーパーマンパンチやカーフキックなど変則的な動きで相手を撹乱した大輝だったが、じっくりプレッシャーをかける海斗の膝蹴り、掴みから離れ際のパンチの連打で最初のダウンを喫する。海斗のふつふつとした怒りはダウンする相手への追撃の蹴りからも感じられる。
バッティングで一度中断した後、再会後はノーガードでのパンチの打ち合い。ここでも海斗が顔面に10連発ほど叩き込んで2つ目のダウンを奪うと、倒れた大輝をまたいで「どや」と睨みをきかす。大輝は鼻血を出し意識朦朧といった様子で、凄惨な展開に試合を中継したABEMAファンも「これは喧嘩」「かなり荒っぽい」「えぐいな」と絶句。
もはやビッグマウスの面影もない戦意喪失ぎみの大輝に、海斗はヒジで強引にコーナーに押し込んでパンチの連打を浴びせると、一方的な展開にレフェリーがたまらず割って入った。
これまで無敗を誇って来た大輝だが、Krushのリングは甘くなかった。「期待はずれだった」「口だけ」と辛辣な言葉が寄せられた一方では「格闘技はじめて4年でここまで来たのは凄い」「大会を盛り上げたのはこの二人」など敗れた大輝に対しても労いの声があった。
一方、試合後の海斗だが「大輝選手、ありがとうな」と優しい声をかけたかと思いきや「ベルト2つ持ってるって言ってたけど、何の意味もなかったやろう。これがKrushじゃ、ボケ!」と最後まで荒々しいマイク。怒りが収まらない海斗の様子に「大輝は煽りすぎた」「よほど頭に来ていたんだろう」などの声が寄せられていた。