日本とは違い、実況アナウンサーや解説者が、生放送でも平気で毒づいたり、中立性のないような、極めて感情的なコメントを口走ることさえも珍しくないなど、なにかにつけてその個性的な内容が目につくMLBの野球実況。
そんなMLBの名物実況のうち、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平を巡る“珍コメント”といえば、やはり何の脈絡もなく飛び出す“謎の日本語”シリーズ。
大谷特集となった10月1日放送の『ABEMAスポーツタイム』(ABEMA)では、大谷の活躍のみならず、スタンドのファンや実況といった“大谷を巡る人々の動き”についても改めて紹介することとなったが、その際にVTRで紹介されたのが、流暢な英語実況からの、「ゲンキデス!ショウヘイ・オオタニ!」「スゴーイ!ショウヘイ・オオタニ!」といった日本語まじりのコメント。しかしこれは“まだわかる”レベルのもので、8月18日(日本時間19日)に本拠地エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイムで行われたタンパベイ・レイズ戦では、大谷が本塁打を放った際に、現地の中継番組『Bally Sports West』の名物実況アナウンサー、マット・バスガーシアン氏が、なぜか「ポカポカ」とコメントするというひとコマが。
この「ポカポカ」、日本語でありながらも、それでいて日本人の感覚では理解しづらい使い方であったことから、中継時に日本の野球ファンからは「なんや今のw」「ポカポカとはなんぞ?」「ポカポカって言ってたよな?」「ポカポカと聞こえたのがおいらだけじゃなくて安心したわwww」「…んで、結局どういう意味なんだよ」といった声がSNS上などに相次ぐ事態となっていた。
実はこの「ポカポカ」、元・MLBプレーヤー川﨑宗則氏が10月1日放送の『ABEMAスポーツタイム』(ABEMA)に出演した際に語ったところによると、日本語で言うところの、「アツい!」「ヤバい!」といったニュアンスであった模様で、「アツいっていうことですよ。“heat!”普通だったら“He is heat!”とか言うんですよ。“heat!”、彼、アツい!ヤベエ!とかっていうのを、(バスガーシアン氏が)日本語でちょっと調べたら“あ、「アツい」…「ポカポカ」…あ!”(となって)“ポカポーカ”(と言った)」(川﨑氏)というのが真相である模様。そう説明を聞くと、多くの人々が「ああ、なるほど」といったところだろうが、いずれにしかり、こうした一風変わった日本語を交えた個性的な実況も、MLB中継を盛り上げる重要な要素。来季もこうした点に注目しつつ、中継を楽しみたいところだ。
(ABEMAスポーツタイム)