9月30日にZOZOマリンスタジアムで行われた千葉ロッテマリーンズ対埼玉西武ライオンズの一戦で、ロッテ・坂本光士郎が見せた気迫の投球が、野球ファンの間で話題となっている。
4-4の同点で迎えたこの試合の9回表、西武はこの回から登板したロッテの守護神・益田直也を攻めて1死満塁に。さらにこのピンチで打席に立った西武の6番・鈴木将平に対し、益田が2球続けてボールとなり、押し出しの危機も出始めたところで、ロッテベンチは坂本をマウンドに。しかしその坂本は、鈴木にとってはこの打席3球目となる坂本の初球、内角へのストレートが外れてカウント3-0に。西武にとっては押し出しでも勝ち越し、ロッテにとっては文字通り、絶体絶命のピンチとなってしまった。
しかし、ここで坂本のギアが上がったのか、続くの坂本2球目、鈴木の内角高めへと投じた149km/hのストレートはストライクとなり、カウント3-1とすると、続く3球目は、2球目よりもさらに高く、内側へと投じられたボール球のストレート。しかしこの1球、のけぞるような姿勢となった鈴木のバットに当たり、まさかのファウルに。往年の野球漫画『巨人の星』の主人公・星飛雄馬が、あえて相手のバットを目掛け投じ、凡打させるという狙いで投げていた“大リーグボール1号”を彷彿とさせるボールとなった。
結局、この1球でカウント3-2となった鈴木は、続く4球目、外角へのストレートに、裏をかかれたような振り遅れ気味のスイングでバットを出すも空を切り、空振り三振に。坂本は続く7番・外崎修汰に対しても、気迫を全面に出した投球で押し切り、空振り三振を奪うこととなった。なお、坂本の好投で西武の反撃を断ち切ったロッテは、続く10回裏に、石川慎吾のサヨナラタイムリー二塁打で見事、劇的な勝利を収めている。
“大リーグボール1号”を彷彿させる“魔球”ともいえる1球で鈴木を追い込み、流れを引き戻すことに成功した坂本に、ネット上の野球ファンからは「この場面でまさかの大リーグボール炸裂!」「いやー、これ、デカい1球だったわ。」「この魔球で完全に流れ変わったよな」「もはやバッターは災難でしかないw」「再び狙って投げられるというわけでもないところも魔球の魅力やで」「とにかく結果オーライやw」といった様々な反響が寄せられている。