将棋で史上初となる「八冠独占」を達成した藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)が10月13日、名古屋市の名古屋将棋対局場で凱旋記者会見を行った。藤井竜王・名人は、11日まで行われていた王座戦五番勝負で、前王座の永瀬拓矢九段(31)から3勝1敗でタイトル奪取に成功。21歳2カ月の若さで、将棋界にある8つのタイトルを全て獲得した。会見には師匠・杉本昌隆八段(54)とともに出席。杉本八段から、藤井竜王・名人が公式戦で指したことがない「振り飛車」について質問すると「いや、ちょっとここでやるとは言えません」と笑ってかわすシーンも見られた。
藤井竜王・名人は2016年10月に四段昇段、プロデビューをして以来、公式戦で400局以上指しているが、その全てが「居飛車」。師匠・杉本八段が得意とする「振り飛車」は一度も指したことがない。八冠達成直後の会見で「おもしろい将棋を見せていきたい」とコメントしたことで、この会見でも報道陣からより具体的に「おもしろい将棋」について質問が飛ぶと、「自分自身が指していて、おもしろいと思えることを大切にしたいなと。見ている方におもしろいと思っていただくことは大事なこと。その2つ両方を目指していきたいと思います」と答えた。
この回答の前、杉本八段から飛んだ質問が「振り飛車」について。「おもしろい将棋と言ってくれましたが、いろいろな将棋という意味もあるのかなと。私は振り飛車がすごく好きなんですが、藤井八冠は振り飛車を指していない。振り飛車おもしろいけど、どうかな。やってみたりしない?」と微笑みながら語りかけたが、居飛車一本で通している藤井竜王・名人は、間髪入れずに「いや、ちょっとここでやるとは言えません」とかわし、会場の笑いを誘っていた。
(『ABEMA NEWS』より)