将棋の藤井聡太竜王(名人、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)に伊藤匠七段(21)が挑戦する第36期竜王戦七番勝負が10月17・18の両日、京都市の「総本山 仁和寺」で第2局が行われ、藤井竜王がシリーズ2勝目を飾った。八冠制覇を達成したばかりの藤井竜王が初めて臨んだタイトル防衛戦で、3連覇に向けて大きく前進。次戦で防衛に“王手”をかけるか、伊藤七段が反撃を開始するか。注目の第3局は10月25・26日、福岡県北九州市の「旧安川邸」で行われる。
【中継】藤井竜王VS伊藤七段 終局後インタビューと感想戦(生中継中)
前人未踏の八冠を独占した藤井竜王が、タイトル防衛戦に向けて2勝目を飾った。大偉業達成から一週間、藤井竜王は同学年の挑戦者・伊藤七段との第2戦・京都対局へ。先手番の本局では、得意の角換わりを志向し自ら仕掛けて攻勢に打って出た。伊藤七段は絶妙なバランス感覚で互角のまま中盤戦へと突入したが、緩急自在な指し回しを見せた藤井竜王がペースを握った。
終盤戦では、藤井竜王が相手陣目掛けて金を打ち付け強い踏み込みを決断。入玉の選択も見せつつ、後手の出方次第で方針を決める高度な技を繰り出しリードを拡大させていった。苦しい時間が続く伊藤七段は我慢の手が続くことに。それでも決して折れず反撃の道筋を見つけ出そうと大長考に沈み、最終盤で1時間25分を投入。その後も角捨てから渾身の勝負手を繰り出したが“八冠王”は揺るがず、構想力を見せつけた藤井竜王が2つ目の白星を手にした。
勝利した藤井竜王は、「先後逆で端を突き合っている形で類型がある展開かなと思いますが、こちらが仕掛けてという将棋で攻めが細いので微妙なところかなと思っていました。こちらの玉が薄い形が続いて、ずっと判断の付かないまま指していました」と総括。次戦へ向けて「(第3局は)すぐ一週間後ということで、その間に他の対局もあるので、良い状態で臨めるように調整したいと思います」と話した。
この結果、シリーズ成績は藤井竜王の2勝0敗に。盤石の強さを見せつけ最高峰タイトルの3連覇へと歩みを進めた。挑戦者の伊藤七段にとっては初日を目指す戦いが続くが、2度目の先手番となる次戦から何としてでも巻き返しを図りたい。注目の第3局は10月25・26日、福岡県北九州市の「旧安川邸」に舞台を移して争われる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)