ひきこもりは「甘え」でも「恥」でもない! 「血液検査」で見えてきた特徴と療法
【映像】「栄養療法」によってひきこもりが治る?

 日本国内で推計146万人に上るとされる、ひきこもり。学校や職場になじめないなど、心理的・社会的な影響が大きいイメージもあるが、九州大学の加藤隆弘准教授の研究グループは、このひきこもりに関する新たな事実を発見した。

【映像】「栄養療法」によってひきこもりが治る?

 研究チームはひきこもり状態にある方の血液検査によって「血液成分の中に体の免疫や活性化を助けるアルギニンが少ない」などといった傾向を見つけた。

 アルギニンが少ないとなかなか活力が湧かず、ひきこもりからの回復を阻害、あるいはひきこもりになってしまう誘因になる可能性があるという。

 また、脂肪に関係するアシルカルニチンや、肝臓に関係するビリルビンなど、様々な物質で数値に差異があることが明らかに。こうした血液成分のパターンをAIに学習させたところ、ひきこもりの人とそうではない人を高い精度で識別し、ひきこもりが重症化する可能性の予測もできるという。

 今後は、心理・社会学的な観点からだけでなく、アルギニンの摂取による栄養療法の開発など、あらゆる角度からのひきこもり支援を続けていきたいと加藤准教授は話す。

「ひきこもりや精神疾患は体の病気と同じだ。血液の知見が偏見を取り除くことにつながればいい」

 九州大学は世界で初めてひきこもり専門外来を立ち上げた。この取り組みについてジャーナリストでメディアコラボ代表の古田大輔氏は「以前からひきこもりは『心理的な影響』、就職活動の失敗などといった『社会的な影響』、そして『生物学的な影響』が複雑に絡み合って起こっていると言われていた。今回、生物学的な影響である血液の研究から有効な対策を考えていくことは有益だ」とコメント。

 また一部で「ひきこもりは甘えだ」と思われている風潮について古田氏は「ひきこもりは甘えではない。様々な理由があって、きちんと対策もできる。精神疾患の人が薬を飲んで治るのと同じように、ひきこもりについても対策が進んでいくといい」と述べた。
(『ABEMAヒルズ』より)

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