「不登校は親の責任」発言の市長に若新雄純氏「固まってる理屈に新しい理屈をぶつけてもダメ」では、“頭の固い権力者”に有効な作戦とは?
【映像】“頭の固い権力者”に有効な作戦とは?

 “頭の固い権力者”と敵対することなくスムーズに付き合う方法はあるのか? 『ABEMAヒルズ』では慶応義塾大学の特任准教授でプロデューサーの若新雄純氏と考えた。

【映像】“頭の固い権力者”に有効な作戦とは?

 滋賀県東近江市の小椋正清市長は17日、「文科省がフリースクールの存在を認めてしまったことにがく然としている」「不登校になる大半の責任は親にある」という趣旨の発言をした。

 批判が高まる中、小椋市長は25日の会見で保護者や運営団体に対して「おわびしないといけないという思いを持っている」と謝罪の意向を示した。一方で発言の撤回はせず「義務教育がフリースクールに逃げていていいかは国家にとって大変な問題」と持論を展開した。

 小椋市長の発言に対し、若新氏は「“頭が固い人”を責めても効果は薄い」と述べた。

「前提として、全員のための王道的なプログラムが全員に馴染むとは限らず、親・学校・それ以外にも様々な背景を持っている方がおり、そんな方のためにフリースクールがある。しかし、世の中の王道しか認めない頑固な“頭が固い人”は一定数おり、『どうしてわかってくれないのか』などと責めても効果は薄い」

 一方で若新氏は「頭の固い人が『時代遅れ』というわけでもない」と話す。

「今の世の中は古い価値観と新しい価値観が入り混じっている状態。まだまだ古い価値観を強い信念で引きずっている人がいるという前提で新しい取り組みを進めていくべだ」

 新旧入り混じる時代、互いに敵対するわけにはいかない。対応策はあるのか?

 若新氏は「既に固まってる理屈に『アメリカではこうです』『データではこうです』と新しい理屈をぶつけてもダメで、『フリースクールの現状について話し合いませんか?』などと歩み寄る姿勢を見せることが効果的だ。『なぜわざわざ歩み寄らなければいけないか?』と思うかもしれないが、歩み寄らないと広まらないのが現実だ。私なら、フリースクールの子どもたちを連れて行って話をさせ、頭ではなく心を柔らかくさせる。実際に触れ合えば『今日来た子たちは良い子だった』などと印象を変えていける」と提案した。

 さらに若新氏は「『相手の頼れる部分を探す』という発想になれば衝突せずに上手くいく。『あなたのような方に頼りたいんです』という姿勢で向き合えばむげにはできないはずだ」と述べた。
(『ABEMAヒルズ』より)
 

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